NYTimesの記事「This Boring Headline Is Written for Google」は、検索エンジンによって、ニュースの見出し(ヘッドライン)の質的変容が発生しているという現象を考察したもの。
話は、こうだ。
最近のジャーナリストは、Googleやその他の検索エンジンで、検索されやすいように、新しい工夫をし始めている。
それは、端的に内容がわかる、平凡な見出しをつける、ということだ、という。つまり、
新聞、雑誌、テレビニュースのサイトのトラフィックのうち約30%が検索エンジンから、という時代に、メインストリートメディアが生き残るための策としてこうした「わかり易い見出し」を採用しているという。
「わかり易い見出し」は、結果的に、「SEO」を意味する。
これまでの、ひとひねりした見出し、含蓄だったり、韻を踏んだりといった見出しの職人的な技は、もう放棄して、検索エンジン様が、「理解してくれる」見出しをつけるということ。このことこそが重要である。
一部のニュースサイトでは、2つの見出しを用意しているという。表紙の見出しは、機知に富んで人間をひきつけるもの。階層の下の記事のページの見出しは、もっと、平凡で、事実に即した、いわば、検索ボット用のもの。BBCニュースは、長い記事ではこの手法を使うという。
「検索エンジンが理解できるためには、単刀直入で、事実に即した見出しでないといけない」
"The search engine has to get a straightforward, factual headline, so it can understand it,"
Nic Newman, head of product development and technology at BBC News Interactive
一方で、11000社の新聞、雑誌、テレビ局に記事の配信を行っているAP通信は、記事の見出しを、40文字以内に制限している。
こうしたことで、見出しの創造的な側面が、削がれるのでは、という懸念もある。
今後、記者たちは、記事を書くときに、2、3の検索をしてみて、記事の内容に関連した検索されやすいコトバを使って最初の文章を書くことになるのではないか。むしろ、ジャーナリスト学校でもそう教育するべきなのではないか。
こうした動きに対して、反対意見は当然ある。いわく、記者やエディターにはやらなければいけない仕事があり、GoogleやYahooが自分たちが書いた記事をどう見ているか、というを気にすることではない、と。
しかし、同時に、同じ人でも、結局、見出しや記事のレイアウトというのは、読者にその記事を読んでもらうための、いわばマーケティングツールでもあるわけで、インターネットや検索エンジンといった新しいマーケティングツールを使わない手はないんじゃないか、と考え直してみてもいる。
結局、CBS Digital Media.の社長がいうことに、集約されるだろう。
「われわれは、将来どのようにニュースが提示されるのか、もがきながら、実験している。そして、サーチエンジンへの最適化(SEO)は、ニュース判断を邪魔しない限りにおいて、何ら悪いことではない。邪魔されるべきではないし、そうならないようにするのは、われわれにかかっている。ただ、検索エンジンというのは、このインターネットというメディアにおいて、効果的なツールであることも確かだ」。
"We're all struggling and experimenting with how news is presented in the future," "And there's nothing wrong with search engine optimization as long as it doesn't interfere with news judgment. It shouldn't, and it's up to us to make sure it doesn't. But it is a tool that is part of being effective in this medium."
Larry Kramer, president of CBS Digital Media.


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