Newsweek記事、「Appleはなぜ日本企業ではないのか?」にみる日本論
Newsweekの記事"Why Apple Isn't Japanese"が面白い。これは、しかし、Appleについての記事ではなく、デジタル革命での敗戦の色濃い日本企業についての記事である。
iPodやiPhoneで世界を席巻するApple。だが、こ小型電化製品の市場というのは、本来、日本企業が得意だったハズ、それがデジタルになった瞬間に、なぜ日本企業は太刀打ちできなくなってしまったのか。
20世紀最後期にNTTドコモがiモードの成功を世界展開しようとして失敗したのはなぜか。
それは、iモードの操作が、日本以外では受け入れられなかったからであり、それは、ドコモの首脳陣に
日本人しかいなく、世界マーケットの人々が何を欲してるか理解できなかったからだ、とする。
ソニーのデジタル音楽シーンでiPodの独走を許したのは、自社グループ内の音楽セクションに配慮して、
複雑なライツマネジメント機構を導入したことが原因と指摘。
青色LEDを発明した中村修二氏が発明の対価を求めて会社と対立し、最後は、カリフォルニアへと旅立ったエピソードから、「日本では、Googleのセルゲイとブリンラリーが成功する見込みなどなかっただろう」とも。
こうしたことが発生している原因の一部として、年功だけで昇進する制度による管理職のIT技術についての
理解の不足と、大学と企業との圧倒的な連携不足を挙げている。
唯一の例外としては、Wiiが好調な任天堂をあげ、アウトサイダーなイメージとゲームに興味のない層をターゲットにするという独特な戦略をとったことを評価。こうした視点は、東京ではなく京都に本社があることにあるからではないかとしている。
上記のような日本の問題点を挙げた後に、記事では、今一度、ドコモの失敗を以下のように総括している。
「ドコモは、いまや減少傾向に転じた日本の国内市場に囚われ、動きの早いライバル企業にシェアを奪われることを座して見ているしかない。世界マーケットへ転じることが唯一の希望だが、企業文化の視野の狭さと想像力を欠いたマネジメントによってそれも果たせないでいる」。
3年前には、ノキアの市場価値の10倍あったドコモは、いまではノキアの半分の価値しかない。そして、アップルやグーグル、ノキアといったトップグループにいる携帯キャリアは、ドコモではなく、いまやチャイナ・モバイルだとしている。
「日本語という言語と閉鎖的な独自のスタンダードによって保護された世界第2位の市場は、国内企業にとっては、収益率の高いサンクチャリー(自然保護区)である」、という指摘は、まさに「パラダイス鎖国」そのものである。
世界中で、一分野で生き残れる企業がほんの一握りになっている時代に、業界内で横並び意識を持つということは、総崩れと同義でしかない。
そのことを今一度、日々の企業生活の中で、意識する必要があるように思う。
#蛇足だが、記事の中で、ソース未確認ではあるが、iPhoneが日本で近くデビューすると書かれている。
Why Apple Isn’t Japanese | Newsweek International Edition | Newsweek.com
<追記 12月10日>
文中、「セルゲイとブリン」を「セルゲイとラリー」に修正。
ご指摘いただいた皆さん、ありがとうございました。


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