フランス国立視聴覚研究所(Institut National de l'Audiovisuel)は、4月27日より、10万本にもおよぶ、テレビ番組、ラジオ番組をネット公開している。
「Archives pour tous(アーカイブ・フォー・オール)」と名づけられたこのサービスより、1920年代のファッションショー、1968年の5月革命、ヌーベルバーグなど、さまざまな映像/音声を視聴できるようになった。
(INA Archives pour tousのトップページ)
サイトは、すべてフランス語だが、インターフェイスは、iPodのように直感的に操作できる。
メニューは、themes(テーマ)、personnalites(人物)、epoques(時代)、programmes(番組)となっており、そこからブラウズできる。
また、検索も充実しており、さらに、これまで自分が閲覧したページの履歴もサムネイルとしてページの上部に常に表示される仕組みだ。
(直感的なインターフェイスでブラウズができる。履歴も上部に表示)
実際の、映像のページもよく考えられていて、その映像に登場する風景や事象、人物などがキーワードとして表示されており、これをクリックすると、これをクエリーにした検索結果が表示されいる。つまり、思いつくがままに映像を探し、見ることができる。本当にすばらしい。
そして、こうしたサービスには珍しく、地域的な制限はない。
また、映像/音声の80%は無料。それ以外は1ユーロから6ユーロの間で価格設定されている。(映像をフル画面で見る場合も支払う必要がある。)また、48時間の「レンタル」の体系もある。
試しにいくつかの映像を見た。
ジャン=リュック・ゴダールへのインタビュー、カンヌ映画祭にて 1960年5月 (冒頭にアンナ・カリーナも登場)
http://www.ina.fr/archivespourtous/index.php?vue=notice&id_notice=I00005272
#インタビューの「演出」もヌーベル・ヴァーグ?
ミッシェル・フーコーが、ガストン・バシュラールについて語る 1972年10月
http://www.ina.fr/archivespourtous/index.php?vue=notice&id_notice=I00002886
#動いているフーコーなんて見られるとは思わなかった(!)
大島渚が、シャーロット・ランプリングとともにカンヌ映画祭で 1986年5月
http://www.ina.fr/archivespourtous/index.php?vue=notice&id_notice=I00003651
イザベラ・アジャーニが19歳のときに出演したニュース番組 1974年11月
http://www.ina.fr/archivespourtous/index.php?vue=notice&id_notice=I05083285
「5月革命」の7日間についてまとめたニュース映像 1968年5月
http://www.ina.fr/archivespourtous/index.php?vue=notice&id_notice=AFE86001191
「ぼくの伯父さん」にいついて語るジャック・タチ 1958年5月
http://www.ina.fr/archivespourtous/index.php?vue=notice&id_notice=I00001679
フランスでは、開始早々にアクセスが殺到し、通常1か月に35万アクセスしかないINAのサイトに、初日の数時間だけで600万アクセスがあったという。
(5月2日付けのル・モンド紙によると、4月30日と5月1日でそれぞれ1000万アクセスおよそ73万ユニークユーザーがina.frサイトを訪れ、サーバーの増強を行った。アクセスの10-15%はフランス国外からのもので、その大半はアメリカからだという。)
今後は、毎年、5000本の映像/音声が追加されていくという。
さて、これだけアクセスがあった中で、もっとも、人気のあった映像は何だろうか? バルドー? アルディ?
正解は、ヤニック・ノア(元テニス選手・歌手)。2位が、セルジュ・ゲンズブール、3位がクロード・フランソワ(歌手)だという。意外にも、ブルジット・バルドーも、フランソワーズ・アルディ でもなかった
ところで、このサービスには、自分の生まれた日のニュースが見られる/聞けるコーナーもある。
1964年〜68年はその日のラジオ番組、それ以降、77年〜96年はその日のテレビニュースが視聴できる(77年、85年、90
年は除く)。誰もが思いつくが、実現できなかったサービスだ。
(例:30年前のきょう5月3日のニュース番組)
今回のサービスには、映画やファッション、哲学を世界に輩出する文化立国であるフランスの揺るぎない自負を感じずにはいられない。
こうした映像を見ることで、フランス国民だけでなく、世界の人々の今後の文化活動に影響を与えていくのだろう。
おそらく多くの人々が望んでいた形でも映像・音声アーカイブのネット公開を実現した、Institut National de l'Audiovisuelのすべてのメンバーに最大級の賛辞を贈りたい。
このニュースは、フランス国内では大きく取り上げられているが、英語圏ではそれほどではない。唯一、イギリスのTimesが取り上げている。
Online archive lets French wallow in the past - Times Online
以下、フランスメディアの関連記事とその機械翻訳
(仏→英語 powered by babelfish yahoo)
オープン時の反響などを伝える記事
Le Monde.fr : Les archives de la télé pour tous 英訳
Le Figaro INA, la révolution par l'accès aux images 英訳
LEXPRESS.fr - L'actualité avec 01Net 英訳
TF1 : La mémoire de la télé disponible en ligne 英訳
その後を伝える記事
Le Monde.fr : Le succès du site ina.fr pose un problème de droits d'auteur 英訳
はじめまして。
検索でお邪魔しました。ナナムスクーリをテーマとした
ささやかなブログを編集していますサチと申します。
本日の記事にこちらをご紹介したいのですが、どうか
宜しくお願い申し上げます。
Posted by: サチ | November 17, 2006 at 12:12 AM
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