とかく会議は非生産的なものの代表としてやり玉にあがる。
BusinessWeekの"How to Run a Meeting Like Google"という記事には、会議をどうやったら効率的で生産的なものにできるのか、Googleでの会議の進め方をもとに提示している。
Googleの検索製品担当副社長、Marissa Mayerさんは、1週間に70もの会議を主催しており、彼女の判断は、共同創業者のセルゲイとブリンにあげるかどうかの事前チェックポイントとなっている。
スーパー忙しいMayerさんの会議術ということを念頭に入れて、「6か条」をみてほしい。
以下、B3 Annex抄訳。
Google流会議のための6か条 ("How to Run a Meeting Like Google" by BusinessWeek)
1. 確固としたアジェンダを設定せよ
Mayerさんは、会議に先立って、参加者が議論したい点や効率的な進行についてまとめた
会議アジェンダを提出させる。アジェンダは柔軟であっても構わないが、アジェンダを立てることで、人々にこの会議で何を達成するべきなのか、ということを意識させることになると考えている。2.議事録担当者を決めろ
Googleでの会議には多くのディスプレイがある。一つの壁には、プロジェクターがプレゼンテーションを映し出し、その右には、進行中の会議の議事録が刻々と記録される様子が映し出されている。(もう一つのディスプレイには、4フィート大のストップウォッチが表示されている)
Googleの幹部は、公式の議事録を取ることを重要視しており、(プロジェクターで映し出されているために)不正確な記述や矛盾についてはすぐに発見される。
会議の欠席者は、議事録を受けとる。どんな判断が下されたのか、チームがいまどこに向かっているのか、どんなアクションが必要か。そうしたことは、この議事録を見ることですぐにわかる。
3. ミニ会議の時間を作り出せ
Mayerさんは、大きな時間の塊を確保しておき、これを小さな時間スロットに分け、特定のテーマやプロジェクトのための集まりに使う。
たとえば、毎週の共同創業者とCEOとの2時間の打ち合わせでは、サイト状況についての週間レポートや新製品発表などのテーマを話し合うそれぞれ5分ー10分といった時間を確保している。
この方法によって、会議に入る直前にアジェンダを調整する(小さなスロット時間内のテーマを変える)ことも可能になる。同時に、会議はぶれることなくするべきだという意識を植え付けることにもなる。
4. 自分の「営業時間」を持て
Mayerさんは、このアイディアをスタンフォード大学でコンピュータサイエンスを教えていたときの経験から得たという。毎日、午後4時から90分間、Mayerさんの「営業時間」がはじまる。
従業員は、Mayerさんに会う必要があれば、彼女のオフィスの外にあるボードに名前を書く。Mayerさんは、先着順で、面会するという。あるプロジェクトマネージャーはマーケティングキャンペーンの許可が必要だったり、あるスタッフは、デザインを見せたい…。
Mayerさん曰く「Googleの技術的に面白い製品は、この『営業時間』に、見ました。Google Newsも、Orkutも、Google Reviewsも、Google Desktopも、です」。「営業時間」内に、最大15もの打ち合わせを行うことができる。一人平均の持ち時間は、7分間だ。
5. 政治は排し、データを活用せよ
このアイディアは、「ボスは、お気に入りの部下が作ったデザインにゴーサインが出す」とみんなが思っている、ような組織で使われるべきだ。
Mayerさんは、このような考え方は、従業員の士気を低めると思っており、そのために、彼女は承認のプロセスをサイエンスにしようとしている。
Googleでは、デザインはあらかじめ設定されている評価指標に対して、そのデザインがどのような結果を出しているか、によって決定される。デザインは、指標と結果によって決定されるのであって、個人的な関係性によってではない。
Mayerさんは、デザインミーティングでは、「好き」といった言葉を排し、「私はスクリーンの見えた方が好き」という言い方はしないようにしている。代わりに、「サイトにおける実験では、彼のデザインのほうが10%よく機能した」といったコメントを奨励している。この方法はGoogleではうまくいっている。なぜなら、Googleは、ユーザーのフィードバックデータによってたつ社風があるからだ。それに対して、現代の多くの企業は、社内政治によってたっている。
6. 時間を厳守せよ
会議をフォーカスしたものにするための小さなプレッシャーとして、Googleでの集まりには、いつも大きな時計が掲げられている。時計は、会議の残り時間やそのトピックに当てられる残り時間が表示される。実際には、この時計は、パソコン上で稼働している時計で、それを4フィート大(約1m20cm)の大きさでプロジェクターで映し出されている。
これらの手法は、Googleでは機能しているが、あなたの会社にも適応するかもしれないし、あわないことがあるかもしれない。ただ、これらの6か条は、これまで時間の無駄だと思われた会議から、効率的な時間の過ごし方に変えるヒントをくれるかもしれない。
以上、B3 Annex抄訳終わり。
個人的には、会議にいくつもの投射がされているのが印象深かった。プレゼンテーションはいいとして、議事録と、巨大時計とは! もうちょっと、自由な発言のための工夫などを期待したが、考えてみれば、そんなことはGoogleには必要ないのかもしれない。
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