開催直前になってWeb2.0 Summitと名称を変えたオライリーのWeb2.0 Conferenceだが、11月7日〜9日の日程を終えて、ようやく動画や音声が公開されはじめた。
このうち、Google CEOのエリック・シュミット氏と「ザ・サーチ」著者のJohn Battelle氏の対談(A Conversation with Eric Schmidt)では、YouTube買収の本当の理由、メディア企業との交渉、ユーザーとの関係、優秀な人材を雇い続ける秘訣、などについてざっくばらんに話している。
Web 2.0 - A Conversation with Eric Schmidt (Video, Audio)
シュミット氏は、対談の中で、「インターネットの“向こうを張る”ようなことをしてはいけない」ことを説いている。
インターネットの本質は、データの共有であり、グローバルにブランディングすることであるとし、たとえば、パッケージソフトウエアは、ウエブアプリに取って代わることは必然であるとしている。つまり、Network Is the Computer"がようやく実現しつつある…。
これと同じ趣旨の記事が、Economistの特別号"The World in 2007"にシュミット氏によって寄稿されている。
つまり、さまざまな技術やビジネスモデルがインターネットに対抗する形で提示されてきたが、すべてインターネットの前に敗れてきたとし、インターネットの“向こうを張って”はいけないとしている。
"But what’s surprising is that so many companies are still betting against the net, trying to solve today’s problems with yesterday’s solutions. The past few years have taught us that business models based on controlling consumers or content don’t work. Betting against the net is foolish because you’re betting against human ingenuity and creativity."
Don't bet against the internet by Eric Schmidt, CEO of Google「しかし、驚くべきことにいまだに数多くの企業が「インターネットの向こうを張って」、今日の問題を、昨日のソリューションで解決しようとしている。消費者やコンテンツをコントロールすることに立脚したビジネスモデルが機能しないことを、過去数年の歴史は教えてくれた。“インターネットの向こうを張る”は、バカげたことであり、なぜなら、それは、人類の創意と創造性に対抗することだからだ」。
Don't bet against the internet by Eric Schmidt, CEO of Google
動画をネットで見ることは必然であり、アプリはウエブ上で動かすのが当たり前…。
こうしたことは理解しているつもりでも、もう一度、この「向こうを張っている」かどうか、という視点で物事を見ると、来年の動きが占えるかもしれない。
Web 2.0 - A Conversation with Eric Schmidt (Video .mp4)
Web 2.0 - A Conversation with Eric Schmidt (Audio .mp3)
The World In 2007 | Don't bet against the internet - Economist.com
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