「元次期米大統領」のアル・ゴアが、地球温暖化への警鐘を鳴らすドキュメンタリー、"An Inconvenient Truth"(邦題:「不都合な真実」)のDVDが届いた。パッケージは、簡素なもので、包装はトウモロコシから作られたプラスチック「EARTHFIRST PLA FILM」なるものでできている。
ゴアは、もともと環境コンシャスな政治家として知られていたが、これまでに実に1000回以上、自らパワーブックを持って世界中で地球温暖化を訴えてる講演を行ってきたという。
映画の中心は、そんなゴアの講演を収録したものだが、この講演がとても説得力を持って伝わってくる。堅物として知られたゴアだが、講演中のゴアは、リラックスしており、時にユーモアを交えながら、世界の各地で起きているさまざまな温暖化現象を、写真やグラフ、動画を使って丁寧に説明する。
講演の映像の途中に、ときどきオフショットのゴアの様子が映し出され、それが、「人間アル・ゴア」を浮き彫りにする効果をもたらす。
ゴアは、「地球温暖化は政治の問題ではなく、モラルの問題だ」という。そう、その意味では、本当に「不都合な真実」は地球温暖化ではなく、変化に対応できない人間だ、とゴアは言いたいのかもしれない。
映画"An Inconvenient Truth"は、地球温暖化を訴える映画であると同時に、アル・ゴアという稀有な人間の半生を描いている映画でもある。
日本公開は、来年1月20日、必見。
それにしても、アメリカで6月に公開され、順次世界中で公開されたというのに、なぜ、日本で公開するのに半年以上もかかってしまうのか? 映画配給関係者は、猛省してほしい。
An Inconvenient Truth - Official Site
<関連情報>
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※北極の氷が溶けてなくなる様子がアニメーションで見られる
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