噂どおり、4大音楽レコード会社のEMIは、現在デジタルファイルとして販売している全カタログを、DRMなしの音楽ファイルとして販売すると4月2日に発表した。最初に、販売されるのは、AppleのiTunes Storeで、1曲あたり、$1.29ドル、(通常よりも30セント高い)になるという。
EMIは、プレスカンファレンスで、AppleのJobsをロンドンに招き、今回の発表に臨んだ。
Jobsは、2月に、音楽ビジネスのためには、音楽ファイルはDRMなしで販売すべきだと、主張してきた。
今回の発表は、AppleはユーザーをiPodとiTunesにロックインしていると指摘してきたノルウェイやフランスに対しての
強いメッセージになっている。
合法ダウンロード音楽は、全体の音楽の10%程度といわれており、残りは、相変わらずCDで販売されている。
つまり、90%がそもそも「DRMフリー」で販売されているという。DRMがあるかといって不正コピー撲滅には役に立たないから、DRMなしにして、どこのオンラインストアで買っても、iPodで再生でき、また、iTunes Storeで買っても、どのプレーヤーでも再生できるようにしたほうがマーケットは大きくなる、というのがJobsの主張だ。
Appleウォッチャーで、「iPodは何を変えたのか?」(原題:"The Perfect Thing")の著者Steven Levy氏はNewsweekで、今回の動きに概ね賛同しながら、なぜ、DRMなしになると価格が高くなるのか、疑問を呈している。DRMなしはエンコードレートが256Kとなり、従来の128Kの倍になっている。ただ、それは、DRMとは直接関係ない、音質向上という話である。DRMなしで、音質同じ、価格据置もありえたのではないか、と。
EMIの楽曲のDRMフリー版は、5月から販売が開始されるが、Jobsによれば、年内には、iTunesの全楽曲500万曲の半分をDRMフリーで販売したいとしている。
Apple Unveils Higher Quality DRM-Free Music on the iTunes Store
EMI Music launches DRM-free superior sound quality downloads across its entire digital repertoire
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