Radioheadの新譜アルバム自主配信に続いて、またアーティスト側が旧音楽産業からの離脱宣言。
「ハイパープロモーション」で有名なNINだが、このほど、自分のサイトで、フリー宣言を行った。
"as of now nine inch nails is a totally free agent, free of any recording contract with any label."
(nin.comに掲載されたフリー宣言)
今後、このフリーな立場を利用してどのような新しいビジネス展開をするか、ということについては触れられていないが、おそらく、Radioheadのようなアルバムの自主配信などは間違いなく行っていくだろう。
大手バンドがレコード会社から自由になっていく「新インディーズ化」現象だが、すべてのアーティストが採用できるわけではないのは言うまでもない。
これは、成功したアーティストが採用できる新しいビジネスモデルであるといえよう。
アーティストの経済学として見た場合、2年に1枚アルバムを出すという従来型のパブリッシングでは、採算が取れない、ということもあるかもしれない。
2年に1枚アルバムを出すが、たとえば、ライブ音源をコンスタントに配信する、という風に、新しい「商品」を開発するなど、必要になってくるだろう。
いずれにせよ、コミュニティをコンスタントに活性化させつつ、作品やライブに足を運んでもらうように誘導することがいままで以上に大切になる。
CD/レコードというフィジカルな商品が消滅した段階で、アーティスト側から見れば、レコード会社の販売網は必要なくなったことになる。
しかし、アルバムのリリース時には、プロモーション的な要素はどうしても必要になる。また、自主配信する場合には、これまで付き合いのなかったウエブ技術屋などとの連携も必要になるのだろう。
ざっと、これらが"Artist2.0"の姿といったところか。
その先の現象としては、新インディーズ化を経て、新しいミドルマンの元に走る可能性もあるだろう。
そのミドルマンがiTunesだったり、スターバックスだったり、想像もしないパートナーということもありえる。
音楽だけに専念したいといったこともあるだろう。
こうして、10年ぐらいかかって、アーティストと旧レコード会社の関係というのが、新しいものへと脱・構築されていくのではないか。
nin.com [the official nine inch nails website]
B3 Annex: NIN(Nine Inch Nails)のハイパープロモーションに学ぶ(2007年4月24日)
B3 Annex: Radiohead、新作アルバムはバンドサイトのみで販売 価格はユーザー次第!(2007年10月3日)
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