またアーティストサイドから音楽業界への逆襲ともいえる動きだ。
イギリスの人気バンド"Radiohead"(レディオヘッド)は、新作アルバム"In Rainbows"をバンドサイトのみでの販売にすると発表した。
(Radioheadの新譜"In Rainbows"専用サイト)
販売されるのは、2タイプで、CDボックスとダウンロード版。現在、サイトでは、予約販売が行われており、ダウンロード版を入手できるのは10月10日から。
面白いのは、ダウンロード版のアルバムの価格は、ユーザーが決定できるという点。つまり、ユーザーが好きな金額を払うことでアルバムを入手することができる。
オンライン販売のバスケットで値段が「?」となっており、そこをクリックすると、"It's up to you"と表示される。
(価格は"It's up to you")
金額の最小としては、1ペニー(=約2.5円)を入力することは可能だが、クレジットカード使用料として45ペンスがチャージされる。
なお、12月に発売のCDボックス版には、CDのほかにアナログレコード2枚とそのほかの特典がついて40ポンド(約1万円)。
音楽業界が、新しいビジネスモデルを見つけ出せないうちに、アーティスト側がさまざまな実験をして、ユーザー/ファンとつながる一番いい方法を見つけ出そうとしている。
結局、ユーザー/ファンを置き去りした音楽業界の横柄さが毛嫌いされているのであって、音楽そのものが嫌われているわけではない。
ユーザー/ファンを盗人のように扱ったり、自分たちの権利だけを声高に叫ぶ前に、音楽業界がやらなければいけないことは山ほどある。
日本のアーティストからも、そろそろ新世紀の音楽ビジネスを予感させる新しい試みが見たいものだ。
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