Googleは、5日(現地時間)、Open Handset Allianceを発表し、その中核として、"Androidプラットフォーム"をあわせて発表した。
今回発表されたOpen Handset Allianceは、34のキャリア、ハードウエアメーカーなどで構成されており、これらのアライアンスメンバーは、LinuxベースのAndroidプラットフォームを利用して、先進的な携帯電話を安価で開発できるとしている。
(噂のあったような)1つのgPhoneというものはなく、オープンソースのAndroidプラットフォームによって、いくつものgPhoneが開発できる、ということのようだ。
Androidは、OS、ミドルウエア、UI、それにアプリケーションで構成されており、Androidケータイは、2008年中盤に市場に登場するとしている。
来週12日にも、Androidの開発キット(SDK)の暫定版が公開されるという。
面白いのは、先日のOpenSoical構想と、今回のOpen Handset Allianceは、Googleと業界他社のオープンな関わり方がほぼ同じということだ。
記者会見でも、ソーシャルソフト開発者が、Androidケータイ向けにアプリを簡便に開発できる可能性を示唆している。
Open Handset Allianceに参加する34社は以下の通り(プレスリリースによる)
Aplix (www.aplixcorp.com), Ascender Corporation (www.ascendercorp.com), Audience (www.audience.com), Broadcom (www.broadcom.com), China Mobile (www.chinamobile.com), eBay (www.ebay.com), Esmertec (www.esmertec.com), Google (www.google.com), HTC (www.htc.com), Intel (www.intel.com), KDDI (www.kddi.com), Living Image (www.livingimage.jp), LG (www.lge.com), Marvell (www.marvell.com), Motorola (www.motorola.com), NMS Communications (www.nmscommunications.com), Noser (www.noser.com), NTT DoCoMo, Inc. (www.nttdocomo.com), Nuance (www.nuance.com), Nvidia (www.nvidia.com), PacketVideo (www.packetvideo.com), Qualcomm (www.qualcomm.com), Samsung (www.samsung.com), SiRF (www.sirf.com), SkyPop (www.skypop.com), SONiVOX (www.sonivoxrocks.com), Sprint Nextel (www.sprint.com), Synaptics (www.synaptics.com), TAT - The Astonishing Tribe (www.tat.se), Telecom Italia (www.telecomitalia.com), Telefónica (www.telefonica.es), Texas Instruments (www.ti.com), T-Mobile (www.t-mobile.com), Wind River (www.windriver.com)
また、Androidプラットフォームを紹介するビデオも登場している。
なお、前のエントリーでも記したように、Androidは、もともと2005年夏にGoogleが買収したケータイ開発のベンチャー。今回、その名称がそのまま使われている。
30億台を超えたといわれる世界の携帯電話市場に対し、参入の意思があることをGoogleは常に表明していたが、具体的なものはこれまで発表されてこなかった。今回のOpen Handheld AllianceとAndroidは、満を持しての発表といえる。
これによって、ケータイ電話がオープンな存在になり、キャリアの考えるミニチュア版なインターネットではなく、フルなインターネットが本格的に楽しめるようになると面白い。
オープン系なAndoridか、それともクローズドなiPhoneか。これはまるで、Windows対Mac時代とほぼ同じ構図だ。(2月にはAppleもiPhoneのSDKを出す予定)
Googleがケータイ電話のMicrosoftになる…。
いまの段階ではにわかに信じられないが、その可能性が出てきた、ということか。
Industry Leaders Announce Open Platform for Mobile Devices - Google Press Center
Google Enters the Wireless World - New York Times
B3 Annex: gPhone登場? Google、5日にも新モバイル戦略発表 ドコモ版のgPhoneも? (2007年11月4日)
<追記 11月7日 AM 2:40>
Open Handheld Alliance(OHA)に登場するKDDI、NTTドコモの両社ともに、自社サイトなどでプレスリリースなどで、OHAについて触れていないが、IT Mediaが国内キャリアのそんな"事情"を記事にしている。
Google携帯、国内での登場はいつ? - ITmedia Biz.ID
KDDIもNTTドコモも参加はするが、あまり関心はない、ということらしい。結局、「パラダイス鎖国」的な状況から脱却するつもりはないということか。
iPhoneショックもAndroidもほとぼりが冷めるのをひたすら待つという戦略には、しかし、未来はない。
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