かねてから噂のあったgPhoneことGoogle Phoneが登場ということになるのか?
複数の報道によると、Googleは、5日(現地時間)にも新しいモバイル戦略を発表するとみられ、LinuxベースのモバイルOSの発表や、キャリア、端末メーカーとの提携を発表するとされている。
LinuxベースのモバイルOSでは、GmailやGoogle Mapsが動作するほか、サードパーティ開発のアプリも動作するという。
ロイターによると、提携先として、Sprint Nextel、T-Mobile、モトローラ、サムソンが挙がっており、一説には、25社から40社がパートナーとなるという。ただし、その中にはシンビアンを擁するノキアは含まれていないという。
また、ComputerWorldの報道では、提携企業リストの中にはNTTドコモやチャイナモバイルも含まれている。
これが本当なら、NTTドコモ版のgPhoneが登場する可能性も出てきたことになる。
NY Timesには、名物記者John Markoff氏によるGoogle Phoneの開発の中心人物と目されるAndy Rubin氏のプロファイリングが掲載されている。
面白いのは、この記事では、月曜に発表されるというgPhoneやGoogleのモバイル戦略についてはほとんど触れず、Andy Rubin氏のこれまでの経歴を描くことで、Google内で起こっていることを想起させる構成になっている点だ。
Andy Rubin氏は、Appleでソフトウエアモデムなどの開発を行ったあと、General Magic社に加わり、Magic Capという当時としては先進的なモバイルOSの開発にかかわった。その後、WebTVを経て、Dangerを創立、Sidekickという携帯端末を開発している。
この頃(2002年)にRubin氏は、スタンフォード大学でSidekickについての講演を行い、聴衆にはGoogleの創業者のブリンとペイジの2人がいたという。講演の後に、Sidekick端末のデフォルト検索画面がGoogleだったのを見て、ペイジ氏は「クールだね」と言ったらしい。
その後、Rubin氏は、DangerのCEOを退いた後、新しいスマートフォンを開発するために、Android Inc.を立ち上げる。このベンチャーが最終的にはGoogleのペイジ氏の目に留まり、2005年夏にGoogleに買収され、現在に至るという。
こうしてみると、gPhoneの開発というのは、Rubin氏の存在を念頭に入れると、Googleにとって必然に見えるから不思議だ。
ひとつの発表の裏に、Rubin氏という1人のエンジニアのシリコンバレーでの足跡が色濃く出ていることが垣間見れて面白い。
Googleのモバイル戦略には、多くのパートナー企業が連なるとされるが、これは、先のSNS関連のOpenSocial構想での連携を彷彿とさせるものがある。
最近のGoogleは、他企業とも「仲良くやっていく」ことをアピールしているようにも見えるが、実のところ、この辺りに、次世代の競合が登場する契機があるのではないかと邪推しないでもない。
一方で、Google CEOのエリック・シュミット氏が社外取締役を務めるAppleとの協力関係の今後も気になるところである。
注目のgPhoneおよびGoogleのモバイル戦略は、来年2008年半ばに登場するとされているが、詳細については、5日(現地時間)の発表を待ちたい。
Google to unveil mobile strategy, alliance - sources - Reuters
I, Robot: The Man Behind the Google Phone - New York Times
Google to unveil mobile platform; target: iPhone? - ComputerWorld
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