判断が早いというか、それほど可能性が低かったのか。
世界最大の小売チェーンWal-Martは、今年2月にスタートした映画ダウンロード販売ビジネス"Wal-Mart Video Downloads Store"を12月21日に閉鎖したと発表した。
技術提供していたヒューレット・パッカードが、ダウンロード技術のインフラへの投資を中止したことが閉鎖の主な理由であるとしている。
一週間前の21日にひっそりと閉鎖したものの、誰も気がつかなかったのか、今週末になるまで通信社含めて記事になることはなかった。
このサービスは、当初は鳴り物入りでスタートし、ハリウッドのメジャースタジオ6社と提携していたが、
価格が「DVDの新作リリース日には、タイトルにより$12.88〜$19.88、旧作は$7.50」と高かったのと、
Windows Mediaフォーマットだけだったために制限が多かったことがサービスが離陸しなかった原因として挙がっている。
ブログ"Silicon Alley Insider"は、DVD販売というコアビジネスを抱えているウォールマートにとって、映画のダウンロード販売は、競合するビジネスで、何かコンフリクトがあると必ずコアビジネスを優先する傾向にあったのではないかと指摘しており、その意味でも、ネットピュアプレイ(ネット専業)には、守るべきコアビジネスがない分、よりユーザー目線のサービスを提供できる、としている。
結局、Wal-Martの映画ダウンロードビジネスは最初から失敗する運命にあったのもしれない。
一方で、AppleのiTunes Storeが、20世紀Foxと提携し、レンタル型のサービスを近く発表するのではないかという報道がなされている。
映画のダウンロードビジネスが本格的に根付くには、まだ時間がかかりそうだ。
Video Downloads Store - Movies - Wal-Mart
Wal-Mart Pulls Plug on Movies via the Web - New York Times
Wal-Mart cancels movie download service - Reuters
Wal-Mart's Online Video Failure: Yet Another Lesson... - Silicon Alley Insider
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