B3 Annex

Googleのデザイン10か条

GoogleのJon Wiley氏はGoogle Appsのユーザーエキスペリエンスデザイナーであり、このほど、WhritersUA Conferenceでの講演"Guiding Principles of Googley Design"で、Googleのデザインガイドライン10か条を説明したという。

簡潔な言葉でまとめられていて、どれも的を得ている。特に、7の収益性というのは、その通りだと思った。

Google's Design Gudeline by Jon Wiley

1. 便利さ　人々ーその生活、仕事、夢にフォーカスせよ
2. 素早さ　毎ミリ秒が大切。
3. シンプルさ　シンプルであることは強さである。
4. 魅力　初心者を魅了し、上級者を惹きつけろ
5. 革新性　イノベーティブであれ。
6. ユニバーサル　世界中のためにデザインせよ。
7. 収益性　今日とそして将来のビジネスのために計画すること。
8. 美しさ　頭を混乱させずに、目を楽しませること。
9. 信頼性　人々の信頼に足ること。
10. 人に好かれること　ヒューマンタッチを付け加えること

先日のエントリーで紹介したAppleのデザインプロセスと比較してみると面白い。

WritersUA Conference　Guiding Principles of Googley Design

Google's Design Guidelines - Google Operating System

B3 Annex: Appleエンジニアが語る、Appleがデザインプロセスで行っている4つのコト（2008年3月16日）

 

 

Appleエンジニアが語る、Appleがデザインプロセスで行っている4つのコト

毎年恒例のSXSWは結局、女性雑誌記者による若きFaceBook CEO Mark Zuckerbergとのステージトークが不満足なもので終わったという話題だけが目立ち、なんだかな、と思っていたら、ちょっと面白い記事が出てきた。

これは、AppleのシニアエンジニアリングマネジャーのMichael Lopp氏がSXSWのパネル"Blood, Sweat, and Fear: Great Design Hurts"で語ったものをBusinessWeekがまとめたもの。クリエイティブをどのようにマネジメントしているかが垣間見れる。

以下は、例によってB3 Annex抄訳。

Apple's design process by Business Week

• 完璧なモックアップを作る（Pixel Perfect Mockups）

手間と時間はかかるが、早い段階で、「完璧なモックアップ」を作ることで、すべての曖昧さがなくなり、結果あとで修正が必要なくなる。

• 10から3へ　3から1へ（10 to 3 to 1）

アップルのデザイナーは、新しい機能についての10のまったく違うモックアップを作る。制限を設けずに10をデザインし、仔細に検討した後、それを3の候補に絞り込む。さらに数か月検討した後に、強固な最終案に行き着く。

• 2つの正反対のミーティング（Paired Design Meetings）

毎週、チームは2つのミーティングがあり、1つはブレイ    ンストーミングで、制約などを無視して自由に考える。Lopp氏の表現によると、「クレージーになる」場。一方で、もうひとつの会議は、プロダクション会議で、さきほどの会議の正反対なもの。
ここでは、デザイナーとエンジニアはすべての事柄の具現化について見極めることが要求される。クレージーなアイディアをどう実際に動くものにするのかが問われる。このやり方は、どんなアプリであっても、開発の期間を通して繰り返し行われる、という。

• 「子馬がほしい！」を避けるために（Pony Meeting）

シニアマネジメント層が加わる会議では、さまざまな要    求がされ、WYSIWYGじゃなきゃイヤだとか、メジャーな    ブラウザには対応してほしいとか、会社の精神を反映してほしいなどいろいろいわれる。
Lopp氏は、これは、会議で「オレは子馬がほしいな！　だろ？　子馬、サイコー」といわれようなものだ、という。問題は彼らがほしいものを単に挙げているだけで、間違っていたとしても、彼らが給与を支払っていることから、あまり無碍にできない点だ。
これを解決するために、Lopp氏は、前述の現場による2つの正反対の会議で出たアイディアを、シニアマネジメントにあらかじめ見せることだ、という。というのは、そのアイディアの中の1つは、彼らの夢にまで見た「子馬」かもしれないのだ。
2つの正反対の会議で出た「子馬」（アイディア）は、デザイナーとエンジニアが実現化について考えを巡らせているものであるため、後々に大きな問題に発展することは少ないという。

こう見てみると、Appleじゃないとできないことはないように思える。

しかし、実は「クレージーな会議」と「実現化の会議」を開発期間中、繰り返すというのは、並大抵のことでない。

開発プロセスが終盤に向かうにつれ、さまざまな力が「収斂」する方向に向かい、「拡散」することはないのは、多くの人が知っていることだ。この「収斂」モードでも「拡散」を求めるのが、Apple流のクリエイティブということか。

Lopp氏が実際に語った様子は、いまの時点ではネットにはアップされていないようだ。

SXSW2008のそのほかのカンファレンス動画はこちら、podcastはこちらで、ゲットできる。

また、Lopp氏のブログ"Rands In Repose"では、プレゼンの準備についての心がけなど面白いエントリーが読める。

Tech Beat Apple's design process - BusinessWeek

south by southwest festivals + conferences

south by southwest festivals + conferences (podcast)

Rands In Repose

NBCU+News Corp.のHulu、3月12日一般公開 Warnerのコンテンツも

計画が発表された当初は、旧来メディアのあがきにしか思えなかったNBC UniversalとNews Corpによる動画ジョイントベンチャーだが、プライベートベータ公開してからは、評判も変わり、イケてるサービスとして見なされるようになった。

そんなHuluが、いよいよ3月12日（現地時間）に一般公開されるという。

(いよいよ一般公開されるHulu.com）

驚くのは、一般公開時には、当初のNBC系列やFox系列のテレビ番組だけではなく、Warner Bros.や映画会社のLionsgateのコンテンツも用意されている点だ。さらに、NBAやNHLのコンテンツも揃えているという。

思えば、計画発表当初は、名称もなく、便宜的にNewTubeやNewSiteなどと呼ばれていたが、いまや50社以上のメディア企業を取り揃え、ウェブ上のプレミアムコンテンツサイトとして、十分にアピールできるところまで成長した。

少なくとも30日以内にhuluの動画を視聴したユーザーは、500万人にも上るという。

昨年10月からプライベートベータを実施しており、B3 Annexでは、何度かサービスを体験してきているが、
わかりやすいインターフェイスと豊富な番組で、なかなか快適だ。

一般に公開されることで、どのように受け入れられるのか、さらに注目したい。

Huluでコンテンツを提供する企業の一覧は以下の通り。

FOX, NBC Universal, MGM, Sony Pictures Television, Warner Bros. Television Group, as well as Access Hollywood, AST Dew Tour, BNET, Bravo, Broadway Video, CenterStaging, Chic.tv, Chiller, CHOW, CNET, Comedy Time, E! Entertainment Television, ExerciseTV, FEARnet, Ford Models, Fox Atomic, Fox Movie Channel, Fox Reality, Fox Searchlight, Fox Sports, Fox TV Studios, Fuel TV, FX Networks, G4TV, Gamespot, Gamespy, Hidden Universe, IGN, Image Entertainment, Lionsgate, LX.TV, MEN7, Mojo, Movieola, My Network TV, National Geographic Channel, National Geographic Digital Shorts, NBA, NBC Sports, NBCU TV, NHL, Oxygen, Paley Media, Red Bull, Reveille, Salient Media, SciFi Channel, Shout! Factory, Sleuth Channel, SpaceRip, Speed, Sundance Channel, Taste TV, The Fight Network, The Golf Channel, The Onion, The Style Network, Thought Equity, TV Guide, TVG, Twentieth Century Fox Film Corporation, Twentieth Century Fox Television, Twentieth Television, Universal Pictures, USA Network, Versus, Vuguru, WatchMojo, Wine Library TV and World Wrestling Entertainment®.

welcome to hulu

Hulu makes public debut, adds Warner Bros shows - Reuters

Hulu launches with bigger slate - Hollywoor Reporter

Hulu Launches with Warner, Lionsgate « NewTeeVee

Testing Over, Hulu.com to Open Its TV and Film Offerings This Week - New York Times

B3 Annex: NBCU/News Coprの動画ベンチャー、1億ドルの投資を受ける (2007年8月10日）

B3 Annex: 名前は"hulu"、NBCU/News Corpの動画ベンチャーにようやく名称 (2007年8月30日）

Wired編集長Chris AndersonとTechCrunchのMichael ArringtonがPBS番組に登場！

PBSで放送している番組"Charlie Rose"は、ネット界にも目配りができる秀逸なインタビュー番組だが、このほど、Freeというカバーストーリーで話題になっているWired誌のChris Anderson氏と、ウェブベンチャーをフォローするTechCrunchのMichael Arrington氏が、それぞれ、Charlie Rose氏による30分程度のインタビューに応じている。

Chris Anderson氏は、基本的には、これまでのFree理論を噛み砕いて話をしているが、雑誌では6つに分けていたFreeの類型のうち、Freemiumモデルと広告モデルと贈与モデルの3つを番組では紹介。また、書籍が出版される遥か前に、本のテーマを公表することで、さまざまな知が集まることの利点に触れていた。

一方の、TechCrunchのMichael Arrington氏は、よりネット全般的な話題について触れ、なぜオバマ候補とマケイン候補は、技術問題に明るい候補なのか、あるいは、いまネット関連で懸念すべき一番の問題は、ネット中立性であるなどについて議論をしている。

面白いかったのは、Facebookに触れ、Facebookが"Google Moment"を迎えられるのか、という議論だ。Arrington氏によれば、"Google Moment"とは、検索技術でほかを圧倒していた当時のGoogleが検索連動広告という、コア技術と完全にマッチするビジネスモデルを発見できたことをいうらしい。たしかに、FacebookやMySpaceはSNSとしてのPVは高いが、その長所と完全に合致したビジネスモデルはまだ見つかっていないのかもしれない。

Charlie Rose氏は、66歳ながら、インターネットがもたらすビジネスの革新や社会変革について、どん欲で興味深い視点をもたらしている。

A conversation with Chris Anderson of Wired - Charlie Rose

A conversation with Michael Arrington of TechCrunch - Charlie Rose

Charlie Rose

B3 Annex: Longtail著者の新作"Free"、Wired誌に先行登場！　6つの無料ビジネスモデルとは？(2008年2月28日）

[速報] iPhone SDK、発表！

リリースが待たれていたiPhoneのSDK（Software Development Kit)が6日（現地時間）発表された。

iPhone Developerとして登録するとベータ版が即日ダウンロードできる。（現時点ではアクセスが集中していて、なかなかダウンロードできない）

スペシャルイベントでは、まず、Steve JobsによってiPhoneのマーケットシェアが示され、スマートフォン市場の28％を押さえ、ブラックベリーを擁するRIMに次いで2位だとした。

続いて、エンタープライズ市場からの要望に対応するとして、プッシュ型のメールやカレンダーとのインテグレート、さらには、Microsoft Exchange対応も表明された。

そして、いよいよiPhone SDKについて、iPhone担当副社長のScott Forstall氏が発表した。

まず、iPhone OSの構造が示され、改めて多くがMacOS Xと共通化されていることが確認された。また、開発ツールとして、Macで動作するiPhone Simulatorが紹介された。

デベロッパーが開発したiPhoneアプリの配布方法については、Steve Jobsによって説明が行われた。

それによると、すべてのiPhoneには、App Storeという新ソフトがインストールされ、iTunes Storeから音楽をダイレクトに購入できるように、iPhoneアプリを入手（有料／無料）できるという。

また、Mac/PCのiTunes Storeで購入してsyncさせることも可能だという。

iPhoneアプリの配布方法としては、このApp Storeが唯一の配布手段となるという。

興味深いのは、デベロッパーが開発したアプリについては、価格の70%がデベロッパーの取り分となり、
残りの30%はAppleの取り分となるとした点。ただし、無料のアプリについては、無料で配布できる、という。

iPhoneのエンタープライズ対応とSDK対応は、6月にiPhoneソフトウェア2.0へのアップグレードで実現する。その前に、本日からデベロッパー向けにベータ版を公開するとした。

なお、iPhone向けに開発されたアプリは、iPod touchでも同様に動作すると付け加えられた。

発表は以上だったが、最後に、恒例の"one more thing"があった。

ベンチャーキャピタルのKleiner Perkinsのパートナーで、最も有名なベンチャーキャピタリストのJohn Doerr氏が登場。Doerr氏は、iPhoneアプリデベロッパー向けの基金として、"iFund"を設立し、1億ドルの資金を用意していると発表した。

これにより、iPhone向けのアプリを開発するベンチャー企業が開発資金を手に入れることができる。iPhoneは今後も大きく成長するプラットフォームであるという強いメッセージが開発コミュニティに発信されたことになる。

なお、残念ながら、iPhoneの日本市場への進出などについては、今回触れられることはなかった。

（今回の記事化に際しては、MacWorldやEngadgetを参照した）

Apple - iPhone SDK

Apple - iPhone - Enterprise

KPCB - iFund Initiative

Macworld | Apple iPhone Event

Live from Apple's iPhone SDK press conference - Engadget

Apple Opens IPhone To Businesses, Software Developers - CNN Money

Microsoft、IE8ベータ版、Silverlight2などを発表！

Microsoftは、5日（現地時間）から開催中のイベント"MIX08"で、IE8の最初のベータ版やSilverlight2などを発表した。

IE8の主な新機能としては、ActivitiesとWebSlicesが挙げられる。

（Internet Explorer 8 Betaが登場）

Activitiesは、表示されている情報によって、コンテキストラルメニューで選べるサービスが変化するというもので、たとえば、住所が表示されている場合は、右クリックで地図サービスを呼び出して簡単に地図で、その住所を確認できるというもの。呼び出せるサービスはユーザーで設定できるので、必ずしもMSのサービスである必要はない。

また、WebSlicesは、ウェブページの一部の情報を取り出してウォッチ対象にできるというもの。OSXのWebClipに似た機能ではあるが、必ずしもページを切り出しているわけではないようで、ページの一部をfeed化しているようだ。（対応するには、サイト制作者側がコードを追加する必要がある。）

Silverlightは、AdobeのFlashキラーとして登場しているが、早くもバージョンアップ、Silverlight2 Beta1が登場した。

Hard Rock Cafeは、Sliverlight2の機能のDeep Zoomを利用したコンテンツを"Hard Rock Memorabilia"を発表している。これはDeep Zoomにより、歴史的なロックの写真や画像をディテールがわかるまで拡大することが可能になっている。

（Sliverlight2を利用したHard Rock Memorabilia）

なお、MIX08のキーノートは、ストリーミング動画で見ることができる。

MIX08 - MIX Online

Internet Explorer 8 Beta: Home Page

Hard Rock Memorabilia

Microsoft unveils IE8 Beta 1 - ComputerWorld

Download details: Windows Internet Explorer 8 Beta 1 for Windows XP

Download details: Windows Internet Explorer 8 Beta 1 for Windows Vista and Windows Server 2008

Watch the Live Streaming Keynote: Ray Ozzie, Dean Hachamovitch, and Scott Guthrie | Joshua | MIX Online

位置情報に特化したtwitterライクなサービス、fire eagle登場！

このところMicrosoftによる買収話以外は、あまり話題にならないYahoo!だが、このほど、開催中のETechで、位置情報に特化したtwitterライクなサービス、fire eagleを発表した。

twitterで、いまやっていることやつぶやきを発信できるように、fire eagleでは、位置情報を発信できる。

住所や郵便番号を入れると、候補地をマップで表示し、それを発信できる。

(fire eagleのサイト）

（fire eagleで位置情報をアップデート）

現時点では、ブラウザからの情報更新にしか対応していないが、今後、fire  eagleを利用したアプリケーションが開発されることで、ブログパーツでの情報表示、Facebookで友人に自分の位置情報を知らせたいり、ケータイからの情報更新などにも対応する予定という。

ケータイの普及によって、ますます位置情報の価値が高まるなか、GPSなどを利用して、さらに詳細な位置情報をやりとりすることは、技術的な必然ではあるが、まだ成功したサービスがあるとはいいがたい。fire eagleの今後に期待したい。

fire eagleは現在、招待ベースのベータ公開中。

Fire Eagle

@ETech: fire eagle Launches - O'Reilly Radar

JusticeのDVNOは80年代CGへのオマージュ

daft punkに続いてクラブシーンを熱くしているフランス発のデュオ、justiceだが、今度のPV"DVNO"は、80年代のCGへのオマージュ。
（当時はロバート・エイブルが作るCGが最高にカッコよかった）

D.A.N.C.E.でのマイケルへの憧憬といい、80年代のサンプリングどころがニクイ。

Justice - DVNO

credit:Justice DVNO 2008

directors:Machine Molle/So Me/Yorgo Tloupas

MySpace.com - JUSTICE - Paris, Ile-de-France - Christian / Club

Machine Molle

WorldWide Telescopeとは？

早いものでもう３月。
さて、先月末から3月1日までカリフォルニア・モントリレーで開催されていたTED 2008では、Microsoftのプロジェクト”WorldWide Telescope”が初めて披露された。

“WorldWide Telescope”は、地球上のさまざま天文台やハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された宇宙のベストショットをシームレスにつなぎ、あたかも、無限に広がる宇宙をデスクトップで体感できるアプリケーションになっている、という。

“WorldWide Telescope”は言ってみればgoogle skyのマイクロソフト版だが、発表前からブロガーのRobert Scobleが「涙した」プロジェクトとしてネットでは話題になっていた。

TEDで紹介されたものの、まだダウンロードはできない。（2008年春の予定）

TED 2008 Roy Gould, Curtis Wong: WorldWide Telescope (video)

WWTelescope