Googleは、Webkitをコアとした独自ブラウザ"Chrome"を発表する。
これは、誤って郵送された38ページ立ての絵解き説明書がウェブに公開されたことがきっかけとなり、Google側が正式に存在を認めたもので、早ければ、アメリカ時間の本日中に"Chrome"のベータ版が公開されるという。
(誤って郵送された"Chrome"の絵解き説明書)
これまでChromeについてわかっている主なことは、
- Webkitがコア
- Google Gearに対応(オフラインでもアプリが稼動する)
- V8と呼ばれるJavaScript VMを搭載
などである。
現代のブラウザは、さまざまなウェブアプリに対するOSとも位置づけられるもので、一部にはこれが、かねてから噂のあったGoogle OSなのではないか、という声もある。
いまや、ネット上での活動のほとんどは、ブラウザで起こっている。ウェブがテキストや写真で構成されていたころから比べると、ウェブは双方向なアプリの集合体へと変化した。(このテキストもブラウザを開いてGoogle Docsで書いている)
モダンなプラットフォームとして、ブラウザを組み立てなおすというのは、意味があるのかもしれない。
それにしても、ブラウザがプラットフォームになっているというのは、随分前から言われていたことで、Googleが肩入れするFirefoxのシェアが拡大することで、Googleは間接的にブラウザプラットフォームを確保しているのだと思っていた。
しかし、携帯電話でGoogleがAndroidを立ち上げ、自らプラットフォームの確保に熱心なことを考えれば、PC戦線でも同じ熱意を持ってもおかしくない。
あるいは、AppleのiTunesのモデルを考えればいいのかもしれない。iTunesによってAppleは音楽・映画・アプリ販売/音楽管理のプラットフォームを占有している。さらに、これがiPodを管理することで、Appleは一貫したシステムを押さえているといえる。
Chromeブラウザと、Googleの携帯電話Androidの関係が、iTunesとiPodのような関係になることも十分考えられるのではないか?
これを、「ブラウザー戦争2.0」と呼ぶことの誘惑はあるが、おそらく、クラウドコンピューテイング時代の今、ポテンシャルはもっと大きいはずだ。
正式にChromeがリリースされたところで、改めてレビューを掲載したい。
Official Google Blog: A fresh take on the browser
Google Blogoscoped - Google Chrome, Google's Browser Project
Google OS Is Actually a Browser: Google Chrome
<追記:9月3日 AM6:00>
Chromeのベータ版(ウィンドウズ版のみ)のダウンロードが開始されている。
(Chromeの画像)
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