描画が早いのは間違いない。また、タブがアドレスバーの上にあることは、ブラウザ内に表示されているコンテンツに集中できる効果がある。
ウェブアプリで、PCのアプリのように挙動させたいものについては、デスクトップなどにショートカットを作成できる。この場合は、Chromeに通常あるウィンドウ周りのボタンなどが省略され、あたかもデスクトップアプリのように操作できる。
一方で、Firefoxで慣れ親しんでいたプラグインなどがないために、些細なところで、使い勝手が異なると思ってしまう。しかし、ベータ版であることを考えると、かなり出来がいいと思う。
以下は、Chromeのプレス発表ビデオ(52分!)から特に気になった部分を列記。
- タブごとに、個別のプロセスが走っている→クラッシュをブラウザ全体ではなく、そのタブに限定できる。
- Mac、Linux版も開発している
- ベータ版から、43言語でリリース
- ChromeのオープンソースプロジェクトであるChromiumも発表 http://code.google.com/chromium/
- アドレスバーがサーチ窓になっている→OminiBoxという名称。
- 目的のサイトにある検索を、そのサイトに移動する前にアドレスバーから行える。→ブラウザのアドレスバーで、そのサイトの検索を選択して、直接、そのサイトの検索が直接できる
- 新規タブには、これまで訪問したサイトなどがサムネイルで並んでいる→新しいタブを開いたということはどこかのサイトに行く意思があるということ。それをサポートする。
- 新たに開発したJavaScriptエンジンV8の速度については、ベンチマークサイトで確認できるhttp://code.google.com/apis/v8/run.html
- 開発に2年かかった→開発初日に、リリース時を想定したプレスリリースを書いて、どう差別化かを考えた
さて、ブラウザ界に殴りこみをかけ、将来有望にみえるChromeであるが、そもそもブラウザ占有率の現状はどうなっているのか?
- IE 73%
- Firefox 19%
- Safari 6%
となっているという。
Chromeのターゲットユーザーは、おそらく昨日までFirefoxを使っていたのではないか?
しかし、本来は、IEユーザーをどれだけ取り込めるかが勝負のはずである。
Wiredに掲載されている「ブラウザー戦争」のシェア争いのグラフは、いまだにIE天下であることを、思い出させてくれる。
もちろん、ユーザーからすれば、適度な競争は、技術革新のスピードの向上を意味し、いいループになるのではないかと期待する。
今年中に発表予定のFirefox3.1は独自のJavaScriptエンジン"TraceMonkey"を搭載し、スピードアップするという。
まだIE6を使っている人は、さっさと使うのをやめて、何でもいいから、まずは新しいブラウザの世界に触れてみることだ。そのバージョンアップが
結果的にウェブ全体の使い勝手の向上にもつながるはずだ。
YouTube - Google Chrome announcement
Search Giant Wants a Share of Browser Market - NYTimes.com
The Browser Wars - Wired.com
Benchmarks - Google V8 JavaScript Engine - Google Code
Chromium - Google Code
Comments