「音楽は自由にする」(新潮社刊)は坂本龍一の初の本格的自伝である。
語りおろしという形になって、自分の生い立ちからYMOをへて、現在まで、教授の心象が伺える。
何が語られて、何があまり語られていないのか。これが興味深い。
たとえば、「戦場のメリークリスマス」に割かれる分量よりも、「ラストエンペラー」についての分量のほうががかなり多い。YMOについては触れられていて、どういう気持ちで参加したか、については結構語られるが、その後の大ブームについては淡々としている。一方で、細野、高橋との確執についても語られていて、"CUE"についての複雑な思いというのは、知られているけど、教授の目線で素直に語られているあたりはファンにとっては、改めて、おお!という感じかもしれない。
長年のファンとしては、どこかで聞いたり、見たりした話ではあるけど、今一度、自伝という形で読むと、坂本龍一の人生(の一部)がひとつの流れ(フロー)として俯瞰できて大変興味深い。
ニューアルバム"out of noise"は、きょう発売!
今回は、CDだけでなく、mp3やAIFFでの配信も行う模様。こちらも楽しみだ。
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