AIRは、ウェブアプリケーションをデスクトップで動作させる「Adobe Integrated Runtime」の名称だが、10月1日(現地時間)に、待望の"beta2"が登場し、さらに、面白そうな「アプリ」が次々と登場している。
まず、adobe自身が何度か言及してきた、(Adobe)Media Player(AMP)が登場。
AMPは、ブラウザ+Flash動画プレーヤーといったもので、いくつかの動画チャンネルがプリセットされている。
いまフィーチャーされているのは、diggnationなど。また、デスクトップにあるflvの再生アプリとしても利用できる。(チャンネルカタログには、PBSやCBSも並ぶが、現時点では、何も再生されない。)
(ようやく登場したAdobe Media Player)
(diggnationを再生したところ。全面表示もできる)
もうひとつは、"AOL top 100 videos"という動画プレーヤー。基本的には、AMPと同じだが、再生される動画が、AOL Musicの音楽クリップに特化している。小さいアイコンが並ぶ様子や、ビューをいろいろ変えられるのはちょっと楽しい。
遅れてやってきた「ウエブ版MTV」といったところか。
("AOL top 100 videos"で標準モードで再生)
("AOL top 100 videos"で全面モードで再生)
また、"AOL top 100 videos"は、動画のシェア機能も充実していて、友人にメールやAIMで知らせたり(別途メーラーが立ち上がる)、ブログにエンベッド(貼り付ける)ための、スクリプトが表示されたりする。
以下は、"100 videos"からスクリプトを生成して、動画を貼り付けたところ。(アプリからウエブへと自在に行き来できる感じがいい)
こういう形で、AIRアプリが、動画再生ツールとして当たり前になってくると、そのプレーヤーがプラットフォーム化して、こっちのアプリでは、エクスクルーシブで○○が見られる、なんて展開になりうるのだろうか。
もちろん、プレーヤーのダウンロードは無料でできるとして、広告も含めた、新しいプラットフォームとしての覇権争い、といったことになりうるのではないか。
コンテンツの囲い込みが成功しないことは、ブラウザ戦争が証明しているが、ただし、これはプレ動画時代の話。"AOL top100 videos"を見ていると、コンテンツを囲い込んで、さまざまな動画を見てもらうことの供給者側のメリットは、少なくないように思える。
Adobe AIRそして、Microsoftのsilverlightも含めて、プラットフォーム化の可能性を秘めたRIA(Rich Internet Applications)の動向に、しばらくは注目したい。
Adobe Labs - Downloads: Adobe Integrated Runtime (AIR)
Adobe Labs - Adobe Media Player
AOL Music - Top 100 Videos - Adobe A.I.R Desktop Widget - Download - AOL Music