昨日のエントリーでも書いた通り、Amazon.comは19日(現地時間)、ワイヤレス・リーディング端末"Kindle"を発表した。
Amazon.comの表紙ページには、創業者/CEOのJeff Bezos氏の手紙という形で、"Kindle"を紹介し、開発に3年もの歳月をかけたことを明かしている。
(Amazon.comの表紙にはKindle発売を告げるメッセージ)
手紙ではまた、読書体験においては、物理的な本を意識しないで著者の世界に没入できることが大切だとし、Kindleが読書体験の中で、存在を意識しないですむようにすることに腐心したとしている。
商品ページでは、Kindleのビデオもあり、Kindleの魅力をさまざまに語っている。
(Kindleの紹介ビデオより)
気になる価格は、399ドル。北米でのiPhoneとまったく同じだ。
以下は、昨日紹介した以外の主な機能。
-Kindle Storeに無線で接続。購入した「本」は1分以内にダウンロード。
-試聴ならぬ試読機能として、本の最初の1章を無料でダウンロードできる。
-北米の主要新聞(The New York Times、Wall Street Journal、Washington Post)や主要雑誌(TIME、Atlantic Monthly、Forbes)の購読可能。
-フランス、ドイツ、アイルランドの新聞も購読可能(Le Monde、Frankfurter Allgemeine、The Irish Times)
-トップ250のブログ(BoingBoing、Slashdot、TechCrunch、ESPN's Bill Simmons、The Onion、Michelle Malkin、The Huffington Post)も購読可能。
-200タイトル以上保存可能。なお、ブログ閲覧には月額99セントかかる(!)
-無線については、SprintのEVDO技術を採用、ただし、無線の利用料金、月額料金などは必要なし。(Amazonが負担する)
-Wikipediaへの無料アクセスも可能。
-Wordファイルやデジタル写真をメールでKindleに送り、出先で閲覧が可能。ただし、1ファイルの送信に10セントかかる。
Time誌が月額1.99ドルというのは魅力的かもしれない(ただし白黒。ネットで見れば実質無料)
しかし、信じられないのは、ブログを読むのにも99セントかかる点。(ブログ側にはキックバックがあるという)
結局、Kindle StoreとWikipediaへの接続料金はAmazon.comが負担するが、それ以外の接続は、費用がかかるということのようだ。
それにしても、Kindleのような電子ブックのマーケットそのものについてだんだん疑問が湧いてくる。
日本ではソニーのLIBRIe(リブリエ)はすでに生産中止になっている。本当に、電子ブックマーケットというものはあるのだろうか?
一方で、電子辞書マーケットは広がりをみせている。つまり、少なくとも辞書には電子化するメリットがあるのだ。辞書が重い、ということも一因だろう。案外、このあたりにカギがあるのかもしれない。
Amazon.comの試みは一定の評価をしたいが、正直厳しい展開が待っているように思えてならない。
Amazon.com: Kindle: Amazon's New Wireless Reading Device: Kindle Store
Amazon Kindle first hands-on - Engadget
B3 Annex: Amazon、電子ブック端末"Amazon Kindle"を19日にも発表へ(2007年11月19日)