これも時の流れの定めか。
AOLは傘下のNetscapeブラウザのサポートを来年2月1日で終了すると発表した。
それまでは、セキュリティパッチなどの対応はするものの、2月1日以降はそれも行わないという。
Netscapeといえば、オールドタイマーにはとても懐かしいブラウザだ。実質的には、最初の"まともに使える"ブラウザだったかもしれない。
ftp.netscape.comにアクセスし、夜中にリリースされたばかりの最新のベータ版をダウンロードすることが、より新しいネットの世界につながるための"儀式"だった。
1994年(なんと13年前だ!)の10月に、Netscapeの前身のMosaic Communicationによるブラウザのベータ版が
公開され、その表示の速さから瞬く間に、トップシェアのブラウザとなった。
翌年95年8月9日には、Netscape社のIPOがあり、一気にネットバブルへと突き進む。
共同創業者のMarc Andreessenは時代の寵児となり、Netscapeがインターネットの代名詞だった時代だ。
その後、マイクロソフトがInternet Explorerを引っさげて登場し、やがてブラウザ戦争へ。結局、Netscapeは、ブラウザ戦争に敗れ、98年に、Netscape社は、独立した企業からAOL傘下の企業となる道を選ばざるをえなかった。
バージョン4.x時代での足踏みが長く、結局2000年にオープンソースベースの6.0が出たころには、もうかつての勢いもシェアもなくなっていた。
最盛期は85%以上あったシェアは、いまや0.6%にまで落ち込んでいたという。
現在の最新バージョンは、9.0。この9.0がNetscapeとしての最終地点である。
ある意味、2003年に設立されたMozilla FoundationによるFireFoxがNetscapeの正統的後継者であり、ブラウザの革新を続けている。(Firefoxのシェアは16%)
Netscapeは、インターネット時代の幕開けを演出し、誰もが簡単にウェブを閲覧できるようにしたことが最大の功労であり、後年はオープンソース化することで次代の革新の種を蒔いたことが評価される。
End of Support for Netscape web browsers - The Netscape Blog
Netscape Navigator Web Browser
BBC NEWS - Web icon set to be discontinued
Netscape - Wikipedia, the free encyclopedia