アップルのPhil Schiller氏は、MacWorld Expoのキーノートスピーチを行い、
iLife09、iWork.com、17インチMacBook Pro、iTunes Storeの全曲DRMフリー化などを発表した。
Steve Jobsの健康状態が急遽本人のレターという形で発表されたためか、この日のPhil Schiller氏によるキーノートは、不安感が払拭された中で行われた印象がある。会場には大勢の観客が集まっていた。
Phil Schiller氏は、ステージに登場すると、「自分がキーノートスピーチができてうれしい」と
語ると、会場からは笑い声があがった、とテキスト速報を行っているengadgetでは書いている。
(Phil Schiller from engadget)
以下は、engadgetやmacrumorsなどのテキスト速報から構成したPhil Schiller氏のキーノートスピーチである。
最初にiLIfe09が紹介され、3つのアプリについて触れた。
(iLife09とiWork09 apple.comより)
まず、iPhoto09について触れ、写真のソートが、これまでのeventによるソートに加えて、顔と場所による分類が可能になった、と紹介。
顔認識技術により、同じ人が写っている写真でソートすることが可能になり、また、カメラのGPS機能によって、地図に写真をマッピングできるようになった。(Google Mapsを利用しているという)
また、新たにFacebookとFlickrへのアップロードが可能になった。
さらに、iPhone用のスライドショーを制作できるようになった。スライドショーは、iTunesにセーブされ、iPhoneにコピーすることができる、という。
2つ目に紹介されたのはiMovie09の新機能で、前バージョンで刷新されたiMovieをさらに強化する機能について触れた。ビデオの音声を、別のビデオにオーバーダブすることが簡単になり、また手ぶれしたビデオを補正する技術も搭載したという。
3つ目に紹介されたアプリはGarageBand09で、楽器の弾き方を教えるアーティストによる教則ビデオをGarageBandに追加したという。この教則ビデオにはスティングらが出演し、ギターとピアノについて計9本がアプリに収められており、さらに教則ビデオをほしい場合は、GarageBandでビデオを1本4.99ドルで購入することができるという。
iLife09は、1月下旬に発売され、アップグレード版は79ドル、新しいMacにはすべてバンドルされる。
iWorkの新バージョンについても紹介され、Keynote09では、iPhoneアプリ"Keynote Remote"によって、マックを操作し、手元のiPhoneで表示しているスライドと原稿メモを見ることができるという。
iWorkはアップグレード版が79ドル、新しいマックと購入すると49ドル。きょう発売。
また、iWork.comについても紹介された。まだベータだとしたが、オンライン上にiWorkのファイルを置き、どこからでも編集/閲覧できるウェブサービスである。iWorkのアプリにはshareボタンがあり、それを押すと共有したい人にiwork.comのアドレスが送られ、受け取った人はMacでもPCでもブラウザベースで書類の閲覧ができ、編集もできるという。Google Docsに似たサービスだが、インターフェイスはiWork風であり、またアプリ基点になっているところが違うようだ。
ハードウェアでは、17インチのMacBook Proが発表された。1920×1200の解像度で、GPUはGeForce9600M GT、バッテリーは内蔵されており、いわゆるUniBodyタイプとなっている。バッテリー稼働時間は1回の充電で8時間で、1000回チャージできるできるという。
これを可能にするために、同じ重さで40%大きいバッテリーを作ったといい、従来の脱着式のバッテリーでは筐体スペースが有効に利用できないのだという。なお、バッテリーの交換プログラムも用意される。17インチMacBook Pro、2.66Ghz、4GB RAM、320HDDで価格は2799ドル、発売は1月下旬。
最後に、iTunes Storeについても発表がされ、音楽ファイルの価格はこれまで一律99セントだったが、
レコード会社がもっと価格をフレキスブルにしたいとし、69セントから1ドル29セントの間の価格になったとした。
また、DRMフリー(iTunes Plus)の楽曲についてすべてのレコード会社と交渉し、800万曲についてDRMフリーになったとした。さらに、今四半期の終わりには1000万曲のすべてのiTunes Store楽曲がDRMフリーになるとした。
また、これまでWi-Fi環境でしか楽曲購入ができなかったiPhoneのiTunes Storeは、本日より3G環境でも楽曲購入ができるようになった。
アップルのMacWorld Expoでの最後のキーノートスピーチは、Phil Schiller氏によって、とりあえずは無事終わったといっていい。新しい発表もあったが、噂されていたMac Miniの登場はなかった。
B3 Annexとしては、全曲DRMフリー化が今年の4月には実現することについて評価したい。また、ベータ版ではあるが、iWork.comにも注目したい。クラウドコンピューティングへの移行が徐々に進む中で、アップルとしても、なんらかの対応をせざるを得なくなったということだろう。
(Thanks to Engadget & MacRumors.)
Live from the Macworld 2009 keynote - Engadget