B3 Annex

ビバリーヒルズ高校白書(90210)、米テレビに新シリーズとして復活！ 今秋の各局ライナップ出揃う！

アメリカのテレビ界では、毎年、秋からの新シーズン番組をお披露目し、スポンサーなどを募るUpfrontというイベントが行われる。
先週行われた2008年秋シーズンのUpfrontから、各局の注目番組を見ていきたい。

基本的な傾向として、昨年末から今年春まで行われた脚本家のストライキの影響で、テレビ離れが進んだ視聴者をどうやって取り戻すか。ストのために、新番組でありながら、途中でシーズン1を終わったものを、どう立て直すのか。あるいは、さっさと諦めて別の番組に差し替えるのか。

全体的に地味だったといわれる各局のプレゼンだったようだが、今後のテレビの動きを占う意味でも各局ごとに見ていきたい。

NBC
好評の"Heroes"の第3シーズンが登場。前シリーズの第2シーズンは、ストのために短縮されてしまった。
コメディ"The Office"のスピンオフドラマが1月のスーパーボールの後に放送される予定。第1シーズンがストで中途半端だった"Chuck"、"Lipstick Jungle"は再起を目指す。2月にパイロットを放送した"Knight Rider"は、水曜日にレギュラーとして登場！ドナルド・トランプの"The Apprentice"は2009年早春に復活予定！　第15シーズンを迎える"ER"は今シーズンでついに終了予定。

ABC
ABCの秋の新番組は2つのみ。その1つ"Life on Mars"、は現代の探偵が1970年代にタイムスリップしてしまうというもので、もともとはBBCのドラマとして放送されていたもののリメイク。
"Lost"は少なくとも秋には始まらない模様。

CW
2006年にスタートした新ネットワークだが、当初の頼みの"Gossip Girl"は最初の年はよかったものの、スト後は
大きく低迷。今シーズンに何かヒットがないとネットワークそのものの存亡にかかわる崖っぷち。

そこで登場したのが、なんと、往年の"Beverlyhills 90201"(邦題：ビバリーヒルズ高校白書・青春白書）のリメイク版。
タイトルは、ビバリーヒルズの郵便番号のみの"90210"、舞台は、懐かしの「ウエスト・ビバリーヒルズ高校」。
かつてのシリーズから、ケリー役のJennie Garthが、同じケリーとして復活するのも注目だ。



以下は、YouTubeにCWが掲載しているプロモーションビデオ。



CBS
ジェリー・ブラッカイマー製作の新番組""Eleventh Hour"が話題。Britney Spearsがゲスト出演して息を吹き返した"How I Met Your Mother"は新シーズンでも登場。新コメディ“Worst Week”は披露されたハイライトビデオで、大ウケだったとか。

FOX
新SF番組“Fringe”が話題。製作は、大人気プロデューサーのJ. J.エイブリアムス（"Lost"）。"Do Not Disturb"は、ニューヨークのホテルを舞台にしたコメディ。
"Terminator: The Sarah Connor Chronicles"は早くも第2シーズン。"24"の新シリーズは2009年早春に登場予定。

これらの中から、日本でも話題になる番組はどれだけ登場するのだろうか？　

2008 Media Upfronts　- WSJ.com

Networks Announce Fall Season Schedules - WSJ.com

After Scaled-Down Presentations, Networks Anticipate the Fall Cautiously - New York Times

CBSがCNETを18億ドルで買収！

アメリカ3大ネットワークの1つ、CBSは15日（現地時間）、ハイテク情報サイト/テレビ番組制作のCNET Networksを18億ドルで買収すると発表した。

CNET Networksは、cnet.com、news.comやZDnetなどハイテク情報サイトを保有し、、またCNET Centralなどのテレビ番組を制作している、ネット黎明期、1993年創業の「ネット系老舗」企業である。

驚くのは、18億ドルという買収金額だ。2006年10月に、GoogleがYouTubeを買収した際の金額は、16.5億ドルだったから、今回のCBS-CNETはそれを超える買収劇となる。

CBSのネット企業買収の歴史は古く、1997年にはSportsline USAの22%を取得、2004年には完全買収している。
最近では、音楽SNSのlast.fmを昨年2億8000万ドル買収している。いずれの買収も、ネットに強いジャンルに関連する企業に特化されているのが特徴で、スポーツ、音楽、そして、今回はハイテク情報である。

旧来型メディア企業としては、ジャンル特定型のネット企業の買収には、自分たちがもともと保有するコンテンツとの親和性が高く、ジャンルが特定されているために広告価値が高い、といった複数の利点がある。

今後どれだけ、コンテンツ融合を図れるのかが注目される。

CBS to Pay .8 Billion for CNET Networks - Mergers, Acquisitions, Venture Capital, Hedge Funds -- DealBook - New York Times

CBS Corporation To Acquire CNET Networks, Inc.（プレスリリース）

CBS to buy CNET Networks | Tech news blog - CNET News.com

B3 Annex: CBS、音楽SNSのLast.fmを2億8000万ドルで買収（2007年5月31日）

CBS、Star Trekのオリジナルシリーズ全80話を無料提供

Star Trekといえば、来年公開予定のJ.J.エイブラムス監督版の完成が待たれるところだが、約40年前に、CBSで放送されたStar Trekのオリジナルシリーズの全80話の無料ネット提供が21日（現地時間）からはじまっている。

(Star Trekオリジナルシリーズ全80話が見られる！）

これはCBS.comなどで見られるもので、Flashビデオベースで随時広告が挿入される。それにしても、全3シーズン計80話が実質無料というのは、圧巻であり、太っ腹である。

CBSでは、Star Trekのほかにも、往年の名ドラマのMacGyver、The Twilight Zone、Hawaii Five-0、Melrose Placeがそれぞれ見られる。

CBSは、これらの過去番組を、CBS.comだけでなく、JoostやVeoh、AOLなどCBS Audience Networkと称する協力会社のサイトでも提供するという。

（一方で、Star Trekのオリジナルシリーズの第1シーズンは、iTunes Storeでは1話1.99ドルで販売中）

なお、NBCも自社の名作シリーズの"Miami Vice" 、"Emergency" 、"Buck Rogers" 、 "The A-Team" などの提供を始めている。

過去番組がこれだけの規模で無料で提供されるのは、アメリカのテレビ局としては、これまではあまり例を見ないのではないか。それだけ、ウェブ動画の広告モデルが定着してきているということなのだろう。

Star Trek - Video Episodes on CBS.com

CBS to put TV library on the Web - Hollywood Reporter

E! News - CBS' Trek Leads Online

CBS、NYタイムズスクエア一帯にWi-Fi 無料開放へ

従来のテレビ局のイメージとは異なる面白い動きが登場した。

アメリカ3大ネットワークの1つ、CBSは、NYタイムズスクエアの一帯20ブロック分に無線LANを設置し、今月末から無料で開放すると15日（現地時間）発表した。

無線LANが利用できるエリアは"CBS Mobile Zone"と呼ばれ、東は6番街から西は8番街まで、北は、セントラルパークサウスから、南はタイムズスクエアまでとなる。

View Larger Map

無線アクセスポイントは、CBSが保有しているビルボード広告の設備に設置する、という。

ところで、CBSはどこにメリットがあるかというと、"CBS Mobile Zone"の無線LANを利用する際に、最初のデフォルト画面にCBSのニュースなどを掲載するとともに、広告を掲載することで広告収入が見込めるのだという。

なお、この無料Wi-Fiは、ニューヨーク市都市交通局とのパイロットプログラムとして6か月間行われる。

現在、cbsmobilezone.comなるページがオープンしており、おそらくこのページがデフォルトページになると思われる。

サイトには、ningを利用したSNS機能があり、CBSのネットアセットのCBSnews.comやCBSSports、さらには今年買収したlast.fmからのコンテンツも掲載されている。

（CBS mobile zoneのホームページ）

10月にNYに行って、改めて思ったことの一つが無料Wi-Fiの充実であり、普通に公園やカフェで利用できる。

こうした無料の公共インフラがあることで、初めてiPhoneなどのWi-Fi内蔵マシンが生きてくる。そうなると、撮った写真をその場で、ウェブにあげたり、Google Mapsを歩きながら見たり、あるいは気になったお店について調べるといった、さまざまな使い方ができるようになる。

たとえば、タイムズスクエアでは、恒例のニューイヤーカウントダウンがあるが、このWi-Fiを利用することでJustinTVみたいなことを手軽に出来るようになる…。

CBSのこの戦略は、かなりツボをついているように思う。

CBS Lights Up Midtown Manhattan With Free Wireless Internet Access（プレスリリース）

FREE TO SURF IN TIMES SQUARE - New York Post

CBS, NYC Turn on Free Wi-Fi in Midtown : Ben Patterson : Yahoo! Tech

NBCUとNews Corpの共同動画サイトは9月に 英でも共同サイト構想

YouTubeキラー？は9月立ち上げ

旧来メディアによるYouTube対抗策として注目される、NBC Universal (NBCU)とNews Corp.による共同動画サイトは、
当初予定の「夏」立ち上げから、9月立ち上げに変更になった。

いまだ名称が決まっていないこの共同動画サイト（今回初めて便宜上"NewSite"と呼ばれていた）は、3月に構想が発表されたが、14日（現地時間）のNBCUによるアナリスト向け説明会で、立ち上げが9月になったとした。

"NewSite"がそもそも成功するかどうか未知数だが、なんとか秋の新番組シーズンに間に合わせないことには話が始まらない。

メディア企業がいまの時点でネットでのイニシアティブを取ることができるのが現実なのか幻想なのか。CBSなどの多提携展開の方が現実的な対応に思える。

（"NewSiteについてのプレゼンテーション　アナリスト向け説明会より）

イギリスでも共同動画サイト構想

そうした中、イギリスでも、共同動画サイトの構想が持ち上がっている。

"Project Kangeroo"と名づけられたこの構想は、Channel 4とITVとBBCでブロードバンド動画サイトを共同で立ち上げ、それぞれの番組を共同サイトで見られるようにするというものとしてGuardian紙が伝えている。

Channel 4はすでに昨年12月からブロードバンド展開による番組キャッチアップサービスを開始しており、ITVも今週からブロードバンド展開のプレビューを行っている。BBCは4年前からiPlayerの構想を打ち出しているが、いまだサービスインには至っておらず、今年後半にずれ込んでいる。

3社の思いとしては、それぞれのサイトにユーザーを呼び込むよりは、共同で動画サイトを立ち上げた方がユーザーを呼び込みやすいというのがあるようだ。

イギリスでの共同動画サイト構想は、地上デジタル放送の共同運営会社Freeviewの成功にヒントを得ているという。
イギリスでは、ネット接続型のFreeviewセットトップボックス（デジタルテレビチューナー）が出荷されており、こうした動きが共同サイトを後押しするかもしれないとしている。

メディア企業は早く現実に目を向けるべき

しかし、テレビと違って、ネットでは合議で何かを決めて打ち出しているということよりは、さまざまなサービスの中からユーザーが最終的に、デファクトを決めていくというのが根づいており、そう簡単にうまくいくとは思えない。

共同動画サイトを立ち上げるよりも、メディア企業は、自分たちがもはや決定権を持ちえていないという現実に一刻も早く気がつき（あるいは現実から目をそむけるのをやめて、というべきか）、新しい地平でのメディア企業のあり方に進みだした方がいい。

下手な抵抗はやめて、ネット的現実を受け入れる時はもう来ている。

NBC sees Web video joint venture launch in Sept. - Yahoo! News

NBC Universal Security Analyst Meeting Presentation (PDF)

Broadcasters in web TV talks - MediaGuardian.co.uk

Freeview - Welcome to free TV land

Freeview - Wikipedia, the free encyclopedia

B3 Annex: YouTube包囲網？　NBCユニバーサルとNewsコープ、独自の動画サイト立ち上げ発表（2007年3月23日）

B3 Annex: ＜CBSの教訓＞　ユーザーは自社サイトにはやって来ない（2007年5月15日）

B3 Annex: 英民放ITV、6月12日からブロードバンド展開　ようやく開始（2007年6月11日）

CBS、音楽SNSのLast.fmを2億8000万ドルで買収

アメリカ3大ネットワークのCBSは、30日（現地時間）、イギリスの音楽SNS"Last.fm"を2億8000万ドルで買収すると発表した。この金額は、イギリスのWeb2.0系企業の買収額としては最大という。

Last.fmは、同じ嗜好の音楽を聴く人々を結びつけるSNSで人気があり、1500万人のユーザーを擁している。最近、ネット展開に非常に積極的なCBSだが、音楽SNSを買収してどのようなシナジー効果を生むのかについては、未知数としかいえない。

（CBSに買収されたLast.fmのサイト）

おそらく、マードックのNews Corp.のMySpace買収の成功を見ての行動だと思うが果たして…。

それにしても、今回のCBSによるLast.fmの買収といい、Yahoo!のBeboの買収の噂といい、イギリスのWeb2.0系サービスにアメリカの大手が触手を伸ばすというところは共通していて面白い。今後もこの傾向は続くのだろうか？

BBC NEWS - Music site Last.fm bought by CBS

プレスリリース : CBS corporation acquires last.fm, a community-based,music discovery network with a global reach

CBS to buy social network - Los Angeles Times

Last.fm – the Blog: Last.fm Acquired By CBS

Last.fm – The Social Music Revolution

B3 Annex: ＜CBSの教訓＞　ユーザーは自社サイトにはやって来ない (2007年5月15日）

B3 Annex: [速報]CBS、MSN、AOL、コムキャスト、Joostを含む10社に番組提供を正式発表 (2007年4月13日）

＜CBSの教訓＞ ユーザーは自社サイトにはやって来ない

アメリカ3大ネットワークの1つ、CBSのネット戦略が大きく変わろうとしているという話は、先月、B3 Annexでも取り上げたが、14日付け（現地時間）のWall Street Journalは、これに関してCBS担当者の切実なコメントを掲載している。

CBSは、4月12日にAOL、Microsoft、CNET Networks、Comcast、Joost、Bebo、Brightcoveなど大小10のサイトと提携し、これらのサイトに自社コンテンツを提供すると発表している。この構想は、"CBS Interactive Audience Network"と呼ばれており、今週にも、これらのサイトでCBSのコンテンツが見られるようになるという。

WSJの記事では、CBSが新しいネット動画戦略に至った理由として、1年前に立ち上げた自社動画サービス"innertube"にユーザーが集まらなかったことを率直にあげている。

CBSの新戦略担当者は、innertubeのURLは、"CBS.com/nobodycomeshere"（cbs.com/誰もここにはやってこない）が相応しいと自虐的なジョークを言っている、という。

"We can't expect consumers to come to us. It's arrogant for any media company to assume that."
Quincy Smith, the president of CBS Interactive  (from WSJ)

「ユーザーが我々のサイトにやってくるなんてことは期待できない。どんなメディア会社であれ、そんなことを見込むするなんて傲慢だ」。
CBS Interactive.社　Quincy Smith社長 　（WSJ紙より）

WSJの報道では、さらに、CBSは、SNSサービスのFacebookや音楽SNSサービスのLast.fmのユーザーがCBSのコンテンツを自分のプロフィールページにアップロードできるようにする交渉もしているとし、Slide Incとも調整中であることを伝えている。

CBSの競合相手のABC、NBC、FOXがいずれも自社サイトで動画サービスを構築していることを考えると、CBSの新戦略は突出しているようにも思える。

実は、CBS固有の問題として、CBSの視聴者層は、他のテレビ局に比べて年齢が高いため、ネットにユーザーを呼び込むことが難しいということがあげられる。つまり、CBSの視聴者はネットが得意でないために、テレビでネット展開を宣伝しても、ネット誘導がうまくいっていないというのだ。

いずれにしても、CBSの新しい戦略は特筆すべきものである。そこには、手痛い失敗からの教訓がある。
それをまとめてみると以下のようなものになる。

• テレビはメディアの王様だ、だからユーザーは自社サイトにやってくる、という古い価値観を捨て去る
• ネットサービスでは、自社のユーザーのすべてではなく、ネットフレンドリーなユーザーを特にターゲットにする
• 自らもネットの一構成員というスタンスで、ユーザーがいるところにコンテンツを積極的に出す

もちろん、広告収入の配分については、CBSは相変わらずアグレッシブで、協力サイトでの広告収入のうち90％はCBSのものになるという。そのあたりは、さすがにしっかりビジネスしている。（ちなみに、先週、CBSはJoostへの出資も発表している）

Can CBS Put the Net Into Network? - WSJ.com （要・有料登録）

CBS Corporation - CBS corporation announces the creation of the cbs interactive audience network 04.12.2007

CBS Corporation - Joost closes $45 million in financing 05.10.2007

B3 Annex: 米3大ネットワークのCBS、MSN、AOL、Joostに番組提供へ　WSJ紙報道 (2007年4月13日）

B3 Annex: CBS、ブロードバンドチャンネル「innertube」とは何か？ (2006年5月4日）

[速報]CBS、MSN、AOL、コムキャスト、Joostを含む10社に番組提供を正式発表

CBSの番組提供の多展開が正式に発表され、CBSは自社ｎ番組をMSN、AOL、コムキャスト、Joostを含む10社に番組提供する。提供する番組は、"CSI"、"Late Show with David Letterman" 、"Survivor"、"CBS Evening News with Katie Couric" など。

CBSのこの動きについては、WSJが12日（現地時間）朝に、詳細に伝えていた。

正式発表では、提供先が、MSN、AOL、Joostだけでなく、コムキャスト、CNET Networks、Sling Media、Veoh、Brightcove、Bebo、Netvibesの計10社に対してCBSの番組を提供することが明らかになった。

CBS in Web distribution deals for its TV shows - Reuters

B3 Annex: 米3大ネットワークのCBS、MSN、AOL、Joostに番組提供へ　WSJ紙報道

米3大ネットワークのCBS、MSN、AOL、Joostに番組提供へ WSJ紙報道

Wall Street Journalは、米3大ネットワークのCBSは、MSN、AOL、そしてJoostに番組提供をすることを、早ければ、
12日（現地時間）にも発表する、と伝えた。提供されるのは、"NCIS"、"CSI: Crime Scene Investigation"、夕方ニュースの "Evening News with Katie Couric"そして、いくつかのスポーツ番組になる見込みで、番組は、無料広告モデルで提供されるという。

CBSは、また、2月に発表された、NBC Universal-News Corp.のジョイントベンチャーにも番組を提供することを交渉中という。（CBSは元々、このベンチャー会社の発起会社に参画する話し合いをしていたが、発起会社への参加は見送っている）

番組提供サイトでの広告による収入のうち、CBSは、90％を取得することを、配信パートナーに要求しているという。

CBSは、すでにYouTubeへの番組一部提供を行っているが、広告収入の分配や、非認可映像の取り下げ問題で、YouTubeとは多年度契約には至っていないという。

CBSは、昨年の秋より、看板報道番組の"60 Minutes"をYahoo!に独占的に提供しているほか、自社サイトでも、多くの番組を無料広告モデルで提供している。

いずれにせよ、CBSは、コンテンツホルダーとしては、至極真っ当な、エブリウエア戦略を提示しており、今後、ほかのテレビ局が同様な戦略を取るのか、注目される。

（CBS.comでもドラマなどのネット提供を行っている）

CBS's Web Reach to Grow - WSJ.com (要・有料登録）

60 Minutes Exclusive on Yahoo! News

CBS

CBS Corporation

ポップカルチャー、最終戦争？

MTVを傘下に抱えるViacomがYouTubeに不許可動画10万本の削除を要請したのは2月の初旬。
その後、、大きな動きが出てきた。MTVは、KaZaaやSkypeの開発を行った、起業家Niklas Zennström氏とJanus Friis氏による動画サービス"Joost"（旧The Venice Project）に動画を提供すると、各紙が2月20日に伝えた。（Viacom Deal Will Allow Its TV Clips on Internet - New York Times）

25年の歴史を持つMTVは、新人にとっての登竜門で、MTVにビデオが流れるかどうかが生死を決めるといっても過言ではない時代が続いた。やがて、MTVでは音楽ビデオはなかなか見れない、と言われる時代を経て、いまや、新人歌手は、MySpaceやYouTubeを出発点とするようになり、MTVの価値は相対的に下がった。もはやMTVはポップカルチャーの中心ではなくなってしまったのだ。（いま思うと、リアリティショーの先駆けである、"The Real World"(1992年スタート）が分岐点だったのかもしれない）

そんな中で出てきた、YouTubeからの動画引き上げ、そしてJoostへの提供。これはつまり、ポップカルチャーの中心にいるのは、誰なのか、という戦いと言えるのかもしれない。はたしてMTVがそんなキャスティングボードをまだ握っているのか、どうか。

一方で、2月21日のWSJでは、Googleもテレビ局との協業に躓いている様子を伝えている。今年1月のCESでは、CBS会長兼CEOのLeslie Moonves氏の基調講演にGoogle CEOのEric Schmidt氏が登場して、新しい提携について発表するはずだったが、結局、基調講演までに合意に至ることができず、Schmidt氏の代わりに、YouTubeのChad Hurley氏が登場し、スーパーボウルのコンテストについて発表するに留まったという。

アメリカテレビ業界が一斉に反Google、反YouTubeに走っているようにも見えるが、実は大きな流れはもう決まっているのではないか。それはつまり、少なくとも、ポップカルチャーの中心からテレビは確実に退場しつつある、ということに違いない。

あとは、それを一時的に、押し留められるか、どうか、ということに過ぎないのかもしれない。

＃でも、MTVってブランドは確実に老いてしまったように見える…。

Viacom Deal Will Allow Its TV Clips on Internet - New York Times

TV Industry Clouds Google's Video Vision - WSJ.com（要・有料登録）

Viacom to YouTube: Take down pirated clips - CNET News.com