さて、いよいよ11月4日(現地時間)に注目のアメリカ大統領選の投票が行われるが、B3 Annexでは、このアメリカ大統領選に関連した記事を3回連続して掲載する。題して、「B3 Annex特集・シリーズ アメリカ大統領選」。
これまでも、B3 Annexでは、アメリカ大統領選に関連した記事を掲載してきたが、初めて「B3 Annex特集」というタイトルを掲げることにした。
その第1回は、「オバマ大統領候補を支えるデジタル会社」。
民主党のオバマ大統領候補は、これまでにないインターネットの活用方法によって、選挙を改革してきた。
しかし、その流れは、前回の2004年の大統領選で、泡沫候補とされたディーン候補(当時)の一時的な躍進にあった。
ディーン候補は、ブログを積極的に活用し、組織的な献金ではなく、小口の献金を集める戦術に出た。
最終的には、アイオア州での敗戦後のスピーチで、絶叫した映像がネットに広まり、その後復活をすることはなかった。
しかし、このときのディーン陣営にいた人々が、実は今回のオバマ大統領候補のネット戦略を担っているのだ。
ディーン陣営にいたClay Johnson氏、Jascha Franklin-Hodge氏、Joe Rospars氏、そして、Ben Self氏の4人によって設立されたのが、"Blue State Digital"だ。
"Blue State Digital"は、オバマ大統領候補の公式選挙サイトwww.my.barackobama.com(通称MyBO)を支えており、このサイトを通じた小口献金や、YouTube、MySpace、FaceBook、twitterといったソーシャルネットワークサイトの活用を進めている。
(ソーシャルメディアサイトでのオバマ人気は極めて高い グラフはTechnology Reviewより)
MyBOユーザーは、自分の地域で、まだ誰に投票するか決めていない人々のリスト(50人程度)をダウンロードし、サイトにあるパンフレットを自宅で印刷して、配ることができる。まさに草の根運動をネットによって行えるようになっている。
オバマ陣営は、9月には300万人以上の献金者から、1億5000万ドルの献金を集め、一口平均額は86ドルだったという。
MyBOによって、点をつなぎ、実際に献金や(支持集めの)ホームパーティ開催、電話による支持集めといった具体的な行動に結び付けられた、とFranklin-Hodge氏は、MIT Technology Review誌に語っている。
しかし、ほかの候補者たちもネットツールは採用していたが、何がオバマ大統領候補と違ったのか?
それは、ネットツールを選挙活動の中心に据えているかどうかの違いだという。オバマ大統領候補への献金のうち200ドル以下は全体の48%だったが、ヒラリー候補は、33%だったという。それだけ、ヒラリーは大口の献金に頼っていたということの証左だろう。
もしオバマ大統領候補が当選したら、ソーシャルネットワーク化したホワイトハウスが誕生するかもしれない、とTechnology Review誌は示唆している。
確かに、1994年にホワイトハウスのホームページが出来たことによって、より広くウェブが知られることになり、各国の首脳も争ってサイトを開設していった。
オバマ大統領誕生によって、ソーシャルメディアとなったネットの進化のスピードがさらに加速することはあるのだろうか?
Technology Review: How Obama Really Did It (要・無料登録)
Obama's Secret Digital Weapon - Business Week
The Dean Legacy - The Nation
Donation-heavy Obama on track to outspend McCain as campaign winds down - Los Angeles Times
YouTube - BarackObamadotcom's Channel
Twitter / BarackObama
Blue State Digital