B3 Annex

B3 Annex的トリノオリンピックの見どころ

というわけでトリノオリンピックが始まったわけだが、いくつかB3 Annex的視点でオリンピック関連ネタを。

オリンピックアスリートから"Apprentice"を探せ

好評のドナルド・トランプの"Apprentice"の次の次、第6シーズンの出演者を12人のオリンピックアスリートから選ぶというもの。五輪期間中受け付けるユーザーの投票により、"Apprentice"出演者が決まる。

なお、トリノオリンピック閉会式翌日に、第5シーズンがスタート。あいかわらず、巧妙なメディア戦略。

NBCOlympics.com - The Apprentice

Google Earthのトリノ高精度衛星写真

Google Earthでは、トリノオリンピックにあわせて、イタリア・トリノ地域の高精度衛星写真を追加した。
また、競技会場には、競技ごとのアイコンなども表示される。

Official Google Blog: Virtually Torino

競技会場KMZファイル（Google Earth必須）

Google Videoで、オリンピック動画

NBCOlympics.comは、Googleと提携し、期間中のオリンピック動画をGoogle Videoで提供する。
なお、日本からは、オリンピック関連動画は見られないようだ。

Google Video( owner:nbc_olympics )

Intel Viiv、オリンピック動画を提供

IntelもViivプラットフォーム向けに、オリンピック動画を提供する。競技のハイライト映像が、寝ている間にViiv PCにダウンロードされるというもの。

Business Weekの記事："From Torino, Your Digital Future"

オリンピックは、つねに新しいテクノロジーのショーケースとなってきた。
（アトランタ大会時に登場したIntelのInterCastって覚えている人、いますか？ 1996年、アトランタ大会でのInterCastを伝えるCnetの記事）

ウエブ技術がさらに展開するなかでの今回のトリノオリンピック、注目したい。

＜関連リンク＞

トリノオリンピック公式サイト　Torino 2006 - XX Torino 2006 Olympic Winter Games

Intel inside Mac さよなら、（反逆者）アップル！

AppleがIntelのチップを使うことを噂通り、発表した。
インテル　プレスリリース
http://www.intel.com/pressroom/archive/releases/20050606corp.htm

２００６年には最初のIntel Macが登場し、２００７年までに移行を完了する、という。

１５年来のMacユーザーとして、この動きについてコメントしておきたい。

まず、重ね重ねも残念だ。
いまさら、といわれるかもしれないし、自分でも分かっているつもりだが、Apple/Macintoshは"Computer for the rest of us"であり、ヒッピー文化の末裔にあたり、悪の帝国と戦う「戦士」だった。少なくとも、そういうイメージをボクたちは、支持してきた。（そのことを毛嫌いする人たちがいるのも知っている）

さかのぼれば、多くのホビー用の「マイコン」が8080系だった時代、Apple IのチップはMotorola系のMOS Technology 6502だったことから、Apple製のパソコンのチップはMotorolaと相場が決まっていた。もちろん、1984年の初代MacintoshもMotorola製のMC68000だった。しかし、１９９４年に発表されたPowerMacintoshの新型チップPowerPC。このPowerPC連合を構成しているのが、MotorolaとAppleとIBMだったことで、ただならぬ不快感を感じていた。有名な"1984"のCMで、Big Brotherのように振る舞っていたのは、悪の帝国＝「IBM」だったのではなかったか？　悪の帝国と手を結ぶのか？　Appleはこれに対して、敵はIBMではなく、Wintel（マイクロソフトとIntel）であると切り返した。

時は下り、1997年8月。Steve Jobsの奇跡のカムバックに沸くMacWorld Expoで、マイクロソフトからの出資を受けることを発表。そのことを伝える新聞の写真はまるで、"1984"のようだった。Jobsの後ろに映し出されたビル●ゲイツはまるでBig Brotherのようだった。

Jobsはブーイングする聴衆に、大人になれと言い放ち、舞台裏を伝える雑誌Timeには、"Bill, thank you.The world's a better place"という見出しが踊った。

マイクロソフトと仲良くしていないと、Officeも出してもらえないし、Internet Explorerもリリースしてくれないのか。Apple/Macintoshは、いかに業界で四面楚歌になっていたのか、改めて思い知らされた瞬間だった。

それでも、ボンダイブルーのiMacのヒットから始まり、カムバックしたJobsは次々と成功を収め、念願の先進的OS=MacOSXへの移行も果たした。さらに、iTunes/iPodの大ヒットで、Appleは我が世の春を迎えていたかのようだった。だが、そこに暗雲が立ちこめていたのだ。

２００３年に発表されたG5は、２年で3Ghzのクロック数に到達するとぶち上げた。しかし、現在の最高クロックは、2.7Ghz。また、PowerBookにG5が搭載される見込みも当分ない。
もはや、G5にこだわることで、出したいタイミングで製品を出せないのであれば、別のチップに移行してしまえ。一見、ビジネス判断としては正しいように見える。

しかし、Apple/Macのビジネスというのは、そういうビジネスの常識ではないところで、辛うじて成立してきたものである。なぜ、これだけシェアが小さいMacでも業界の注目を集め、周辺機器メーカーも含めてビジネスが成立していたか。それは、MacユーザーがWindowsユーザーの場合よりも多くの製品を買い、結果として、「マック生態系」とでもいうものを支えてきたからである。

あのかっこ悪いマシンも、このカッコイイマシンも結局、中身は一緒だ、となると、もはやボクたちの拠り所はどこへいってしまうのか。カッコだけでなく、チップもThink Differentなのが、Apple/Macだったハズなのに...。つまり、Intel 8080が全盛の時代にあえて、Intelを選ばなかったという「反逆」の遺伝子を持ったのがAppleであり、マックだったのだ。

ルーツを失った、ただカッコイイだけのプラスチックに愛情を注ぐことは、もはやできないだろう。
それとも、ボクたちは、新しい世界に生きるために、ルーツは捨てていかなかればならないのだろうか？

さよなら、反逆者アップル！