もう圧倒的な流れになっているネット動画だが、こうした流れにまた1つ加わった。
アメリカのPBS(Public Broadcasting Service)は、「download to own(ダウンロードして所有)構想」を26日から立ち上げた。これは、PBSで放送される人気の番組を有料、ユーザーにいつでも、どこでもインターネットでダウンロードできるというもの。
"PBS and our local stations are undergoing a transformation from traditional television broadcasting to a vibrant 21st century digital public media service.”
(Paula Kerger,PBS President and CEO) from Press Release
「PBSとローカル局は、従来のテレビ放送から 活気ある21世紀的デジタル公共サービスへと変貌を遂げようとしている」
(ポール・ケルガーPBS社長兼CEO) プレスリリースより
今回、PBSは、パートナーにOMN(Open Media Network)とGoogle Videoを選んだ。
OMNは、教育機関やコミュニティ、非営利団体によって作られて高い品質の番組をネット上で、見つけやすくすることに焦点を当てた非営利団体だという。
ユーザーは、OMN Viewerを入手し、その中で、番組をブラウズしたり、検索したり、さらに視聴することができる。実際に見られるPBSの番組は以下の通り。
なお、各番組は、1.99ドルで入手できる。(ただし、NOVAは7.99ドルとなっている)
プライムタイム番組
・ANTIQUES ROADSHOW
・NOVA
・NOW
・SCIENTIFIC AMERICAN FRONTIERS
PBS KIDSとPBS KIDS GO!番組
・ARTHUR
・CYBERCHASE
・FETCH!
なお、OMNでは、PBS以外が提供している無料の番組などを見ることができる。
実際に、Viewerを使ってみたところ、BBCのiMPのインターフェースにかなり近い形になっている。
(使われている配信技術が、Kontikiであるところも同じだ)
(OMN Viewerのホーム ここから番組を選択できる)
(リストをブラウズしたり、検索したりもできる)
(実際にダウンロードしているところ My Downloadsという場所に格納される)
(ダウンロードした番組をViewerで再生しているところ)
短い時間での印象だが、このOMN Viewerは使いやすくはない。むしろ、Google Videoの方が使い勝手はいい。
これはつまり、ネットビデオをどのように提供するかについては、いままさに習慣化しつつあるユーザビリティとは何なのか、よく見極めないといけない、ということだろう。
同じ番組なら、間違いなく使い勝手がいいところで見る、あるいは、使い慣れたインターフェースで提供してくれるところで見る、というわけだ。
iTunesやyouTubeのアドバンテージはまさにそこにあるのだろう。今後、新しいインターフェースが出現することを否定するわけではないが、かなり要求水準が上がっていることだけは間違いなさそうだ。
プレスリリース:PBS BRINGS POPULAR TV PROGRAMS TO INTERNET VIEWERS THROUGH OPEN MEDIA NETWORK
プレスリリース:DOWNLOADABLE EPISODES OF FAVORITE PBS PROGRAMS MAKE THEIR DEBUT ON GOOGLE VIDEO
OMN offers free Internet TV and free video and audio downloads
PBS on Google Video