CNNなどではニュース記事があがっており、MacWorldのサイトでは、さまざまな特集がされている。
B3 Annexでは、25周年を記念して個人的なMacへの想いのようなものを綴ってみたい。
1984年1月22日、スーパーボウルの試合の合間に流れたCMでMacintoshは世間の目に最初に触れた。宿敵IBMに模したBig Brotherにハンマーを投げる若い女性。Macintoshのグランドイメージを決定づけた映像だった。制作したのリドリー・スコット監督。
あまりに有名なCMを今みると、反体制色が強すぎるように思えるが、当時はグラフィック・インターフェイスは他にはなく、あるのはコマンドを入力するコンピュータだけだったのだ。
そして、ナレーションは"On January 24th, Apple Computer will introduce Macintosh. And you'll see why 1984 won't be like "1984"と続く。誰でも使えるMacの登場で、ジョージ・オーウェルが描いた管理者会「1984年」のようにはならないという宣言だった。
(1984 Apple's Macintosh Commercial)
個人的には、2日後の1月24日に、クパティーノのDe Anza大学のFlint Centerで行われた発表会でSteve Jobsが見せた一世一代の笑顔が忘れられない。
自らMacintoshを紹介したJobsは、専用のキャリーケースからMacintoshを取り出し、起動させた後、マックでできることのデモムービを流す。そして、その後、Mac 自身に喋らせようといい、Macが音声合成の声でキャリーケースから出られてよかったよ、とジョークを飛ばす。IBMのメインフレームに会った感想を述べた後、"So, it is with considerable pride that I introduce a man who's been like a father to me...Steve Jobs”と言う。熱狂する会場、そして、すぐさまカメラは、Jobsへ。
そのときのJobsの笑顔は、あまりに純粋で、喜びに満ちており、見ている者の口元まで緩ませてしまう。
(Steve Jobs demos Apple Macintosh, 1984)
実際に私がMacを手に入れるのは、少し時代が下って、会社で手に入れた91年のMacintosh Ⅱ Ciだった。当時、50万ぐらいしたように記憶している。その後に自分で購入したのは、PowerBook 520。このマシンは、3キロ近くあったにも関わらず、いつも持ち歩いていた。最初にインターネットにつないだのも、このPowerBookだった。
その後もいくつもマシンを使ってきたが、やはり、Macでなければ意味がないというぐらいに思ってきた。それは、Computer for the rest of usというコンセプトで作られたマシンが持つ本質的な磁力のようなものによるのかもしれない。
Macがなければ、いまの自分はなかった、というのは少し大袈裟だろうか。いや、Macを使うことで解き放たれたクリエイティビティや、インスパイヤーされたさまざまなコトや出会えた人々のことを考えると、Macのおかげで達成されたことは数限りない。
それにしても、アップルというベンチャー企業がマックを世の中にだし、世間はWindowsに席巻されながらも、しぶとく生き残り、最近ではシェアを徐々に拡大し(アメリカでは8%)、iPodを作り、はてはiPhoneでスマートフォーン市場をリードするに至ると、25年前に誰が考えただろうか。
ところで、Apple.comでは特に25周年に触れていない。これは過去を振り返るのではなく、つねに未来を志向しているということの証なのかもしれない。
Happy Birthday, Macintosh!
written on MacBook Air