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マイケル・ジャクソンの早すぎる死は、世界でも伝えられている。
ニュースのミュージアム、Newseumのサイトでは、世界のきょうの朝刊が見られる。
締め切りや時差の関係で、アジアではあまり多くないが、土曜の朝刊が掲載されるころには、アジア地区でも、トップに出るのではないか、と思われる。
( Newseumには807紙もの新聞のトップページがみれる。マイケルの急死関連ばかりだ）
以下は、Newseumのサイトから主要新聞のトップ画像である。
( New York Times )
( New York Post )
7月4日は、アメリカの独立記念日。
NY Timesは、独立記念日に掲載する記事として、ニューヨークの地下鉄の話を載せることにした。
新しいことは何もない。ただ、手法がいささか変わっている。ある一路線のある一車両に乗り合わせた人々のほぼ全員にインタビューをすることにしたのだ。
7月3日、午前8時27分。ブルックリンからマンハッタンに向かうＱ列車に、ニューヨークタイムズの記者6人、カメラマン4人が乗り込み、そこに乗り合わせた人々が、どんな職業で、生まれた国はどこか、ニューヨークの街に住んでどのくらいかを聞いてまわった。
以下が、その結果。
（R68A車両のデータ）
乗客数 128人（うちインタビューできた人 99人）
寝ている乗客 4人
iPodを聞いていてインタビューを断った人 8人
最高齢の乗客 69歳
最若年の乗客 3歳
ニューヨークに住んで最も日が浅い人 1週間
ニューヨークに住んで最も長い人 69年
職業の種類 ７３種類
最も多い職業 学生（6人）、建築家（4人）
生粋のニューヨーカー 34人
生まれた国数 23カ国
(from The New York Times - All Aboard)
ある日の、ある地下鉄の一車両に偶然に乗り合わせた人々から見えてきたのは、
結局、どこで生まれようが、どんな職業だろうが、ニューヨークに住めば、みんなニューヨーカーだということのようだ。
東京の山手線で、同じ企画をやったら、どんな結果になるのだろうか？
そもそも企画を実現するのが困難かもしれないが、ちょっと見てみたい気がする。
A New York Slice of America, July 3 - 128 Riders United - NYTimes.com
From Texas or Russia, Ohio or Colombia, Finding Themselves in New York - NYTimes.com
NY Times Magazine恒例の第7回"The Year in Ideas"が先週の日曜日に発表された。
（NY Times Magazineの"Year in Ideas")
これは、この1年間に登場した新しい考え方やアイディアの中から、今後私たちの生活や仕事を変えるかもしれない動きを紹介する好企画。今年は70のアイディアが紹介されているが、その中からほんの一部を紹介。
○左折禁止でエコ UPS
小包運搬のUPSでは、9万5000台あるというデリバリ用のトラックの左折を禁止しているという。
左折をする際に、交差点で信号を待つことによる時間のロスや排気、事故の可能性を考えると、左折を禁止した方が効率的なのだという。左に行く場合は、一つ先の交差点を右折し、さらに2回右折することになる。左折を禁止したルート策定ソフトも開発して利用しているという。
Left-Hand-Turn Elimination - New York Times
○握力とセックスアピールの関係
Albany大学の心理学者Gordon Gallup氏によると、男性の性的魅力は、握力と比例しているという。
握力が強い人は、より健康的で、怪我をしても早く回復するという。握力が強いことがなぜ生命力の強さにつながるかは、大昔の祖先が木から木へと、枝を手で伝って渡っていったからではないかという。つまり、握力がないと、木から落ちてしまう、というのだ。握力は大方遺伝的なもので、健康器具でそんなには上昇しないとか。
Handshake Sex Appeal - New York Times
○ワイヤレス充電
MITの物理学者Marin Soljacic氏は、電力を無線で伝達できる技術を開発したという。
磁気共鳴を利用した"WiTricity"と名づけられたこの技術により、銅線コイルから6フィート（1.8メートル）離れた別の銅線コイルに、60ワットの電球を灯せる程度の電力を無線で伝達できたという。
将来は、携帯電話をワイヤレスに充電するなど応用分野は広そうだ。
Wireless Energy - New York Times
○反・一石二鳥症候群
1つのことで2つのことが実現できる…。仕事でも生活でも効率が求められる時代にあって、こんなにイイことはないはず。ただし、シカゴ大学のAyelet Fishbach氏による研究では、一石二鳥な事柄に反するともいうべき行動があるという。
レーザーポインター付きボールペンを使った実験では、あらかじめレーザーボールペンがあると告げられたグループは、ボールペン選択の際に17％しかこの多機能ボールペンを使わなかったという。レーザーボールペンの存在を知らなかったグループの半分は、多機能ペンを選んだ。
必要ないのに、多機能ペンを使わないだけにも思えるが…。
Two-Birds-With-One-Stone Resistance - New York Times
全体的に見ると、エコ関連のアイディアが多かったように思える。ぜひ、70のアイディアに触れてみてほしい。
颯爽と歩くハイヒール、走り去るイエローキャブ、夜の街に立ち上るマンホールからの蒸気…。「世界の首都」ニューヨークの一風景だ。
しかし、このニューヨークタイムズの記事を読んだあとは、そんなニューヨークの街の風景もいささか違ったように映るかもしれない。
記事によると、NYの道路にあるマンホールの蓋は、インドで作られているものが多いという。
(Made in Indiaと刻印されたマンホールの蓋 Photo Credit: J. Adam Huggins for The New York Times)
電力会社Con Edisonによると、Con Edisonだけで毎年2750枚のマンホールの蓋をインドから購入しているという。
インドから買っているだけではあまり驚かないが、インドでのマンホールの蓋の製作現場は、あまりに前近代的で、写真を見たCon Edisonの担当者も驚いたという。インドで作られるマンホールの蓋は、アメリカ国内で製作されるものよりも20〜60%安いらしい。
記事では、インドの西ベンガル州ハオラの工場の様子を伝えている。Shakti Industriesという工場では、Con Edisonやニューヨーク市環境保護局、さらには、ニューオリンズの街のマンホールの蓋を作っているという。
半裸の男たちが裸足で、溶けた鉄の塊を流し込んでマンホールの蓋を作っていく…。
フラット化する世界というのは、まさに足元から始まっているということのようだ。
写真家のコメンタリーと写真で構成されたスライドショーは必見。
From Ladles of Molten Metal - New York Times
New York Manhole Covers, Forged Barefoot in India - New York Times
NY Timesは、2005年に開始したコンテンツを有料で提供する"Times Select"を19日午前0時（現地東部時間）に終了すると発表した。
過去の記事のアーカイブや外部執筆者のThomas L. Friedman、Paul Krugmanらの記事は、"Times Select"の記事となっており、閲覧するには、年間49.95ドル、あるいは、月額7.95ドルを支払う必要があった。
今後は、広告ベースで運営され、コラムを含む1987年以降の記事すべてが無料で閲覧できるようになる。
新聞サイトの有料コンテンツ展開では、ほとんど成功したものがなく、Wall Street Journalのウエブ版が唯一の例外とされていて、"Times Select"の動向が注目されていた。
NY Timesの記事によると、実際の有料支払い顧客は、22万7000人しかいなかったという。
ケーブルテレビのCNNも今年8月に有料サービスのCNN Pipelineを終了し、無料広告モデルに移行している。
今回のNY Timesの動きで、またひとつネットでの有料課金モデルが消えることになる。
NY Timesという世界的なブランドでさえ、有料モデルでは成功しえない、という現実は、ネットのコンテンツビジネスの難しさを改めて浮き彫りにした。
今後も、ますますコンテンツの無料化が加速していくのだろうが、その果てには、いったい何が待っているのだろうか？
A Letter to Readers About TimesSelect - New York Times
Times to Stop Charging for Parts of Its Web Site - New York Times
アートは、いつも私たちの常識を揺さぶってくれるが、これもなかなか。
"The Wrong Store"は、ニューヨーク・チェルシー地区に5月中旬にできた「アート専門店」。7月9日までの２か月だけの期間限定ショップだという。このショップでは、ジェニー・ホルツァー、ヨゼフ・ボイス、マーク・ニューソンらのレアものを集めている。まあ、このぐらいなら、東京にもありそう。
ただ1点、フツーのお店と違っていること。それは、「いつも閉まっている」という点。
そう、この店は、"The Wrong Store"というぐらいで「間違った」店であり、看板には、"Come in! We're CLOSED"と掲げてあるのだ。なので、店に陳列してあるアートは、買うことはできず、店の外から眺めることしかできない。つまり、ショップの存在自体が、アートになっている。
実際、The Wrong Storeは、Tobias WongとGregory Krumの2人によってキュレートされたアートである。
（"The Wrong Store" 一見フツーのショップに見える NY Times Videoより）
（"The Wrong Store"は、いつも閉まっている！ NY Times Videoより）
もちろん、「オープニング・パーティー」でも店は閉まっており（！）、ゲストは次々と、タクシーで乗りつけ、路上でパーティーを行ったという。
ベーシックな概念をちょっとひねることで、新しいコンセプトになるという一例。
＃それにしても、New Yorkらしい話である。
THE WRONG STORE 259 TENTH AVENUE NYC 10001
