B3 Annex

"The Wrong Store"とは何か？

アートは、いつも私たちの常識を揺さぶってくれるが、これもなかなか。

"The Wrong Store"は、ニューヨーク・チェルシー地区に5月中旬にできた「アート専門店」。7月9日までの２か月だけの期間限定ショップだという。このショップでは、ジェニー・ホルツァー、ヨゼフ・ボイス、マーク・ニューソンらのレアものを集めている。まあ、このぐらいなら、東京にもありそう。

ただ1点、フツーのお店と違っていること。それは、「いつも閉まっている」という点。

そう、この店は、"The Wrong Store"というぐらいで「間違った」店であり、看板には、"Come in! We're CLOSED"と掲げてあるのだ。なので、店に陳列してあるアートは、買うことはできず、店の外から眺めることしかできない。つまり、ショップの存在自体が、アートになっている。
実際、The Wrong Storeは、Tobias WongとGregory Krumの2人によってキュレートされたアートである。

（"The Wrong Store"　一見フツーのショップに見える　NY Times Videoより）

（"The Wrong Store"は、いつも閉まっている！　NY Times Videoより）

もちろん、「オープニング・パーティー」でも店は閉まっており（！）、ゲストは次々と、タクシーで乗りつけ、路上でパーティーを行ったという。

ベーシックな概念をちょっとひねることで、新しいコンセプトになるという一例。

＃それにしても、New Yorkらしい話である。

THE WRONG STORE  259 TENTH AVENUE NYC 10001

The Wrong Stuff - New York Magazine

MoCo Loco: The Wrong Store

Pop-Up Art - New York Times Video

Redbull、日本上陸！

かねてから噂のあった、「Redbull」の日本上陸が、セブンイレブンで独占先行発売という形で実現！

アメリカに出かけたときは、いつもお世話になっていたエナジードリンク、レッドブルがついに日本上陸。
275円という価格がちょっと高い気はするが…。

アメリカンな栄養ドリンクで、チャージせよ！

セブン-イレブン独占先行販売！ 『Red Bull Energy Drink (レッドブル・エナジードリンク)』 を発売〜欧米No.1ブランドが日本初上陸〜（ニュースリリース）

U2のボノらが発表した赤いカード、赤い商品

毎年スイスのダボスで行われる「世界経済フォーラム」（通称ダボス会議）は、世界の閣僚や、大企業CEOなどが参加する一大フォーラムで、さまざまな課題が議論される。今年行われたフォーラムには、GoogleのCEOや創業者が参加したのが記憶に新しい。

今年のフォーラムには、アーティストのボノ（U2)も登場、「レッド」運動を発表した。これは、「レッド」運動に賛同する企業の商品を買うと一定額が、アフリカのAIDS撲滅運動のための基金に寄付されるというもの。参加するのは、アメリカン・エクスプレス、アルマーニ、GAP、コンバース。

さて、発表から1か月が過ぎて、3月1日に、ようやくオフィシャルローンチとなった。

この「レッド」運動のコアは、やはり、アメリカン・エクスプレスというクレジットカードが賛同していることだろう。この運動用に、赤いアメックスカードが発行される。

（American Express REDのサイト）

この赤いカードを使うと、支払う金額の一定額（通常は１％）が、アメリカンエクスプレス社によって、自動的に、アフリカのAIDS撲滅基金に寄付される。こうした仕掛けにより、これまで少なかった民間企業によるAIDS基金への寄付の促進をねらいとしている。

ちなみに、これまでのアメックスは、ブルー、グリーン、ゴールド、シルバー、プラチナ、ブラックと色の違いがそのまま裕福さのステータスとなっていたが、レッドについては、別の社会貢献的なステータスという位置づけになる。レッドカードの年会費は無料。

当面は、カード発行はイギリスだけのようだが、ほかの「レッド」運動商品については、全世界で展開するものもある模様。

（Product REDのサイト）

アクティヴィズムを日常に、アタッチすることのひとつの事例として、注目したい。

＜関連サイト＞

American Express® RED

Product (RED)

The Sun Online - News: Elle shows she's well red

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Tiger@GINZA 大行列

午後6時発売を前に銀座アップルストア前には大行列が出来ている。オンラインで購入した人はもう配達されているのに。

雑誌もグリコのおまけに...

今度のグリコのおまけは、雑誌。

プレスリリース：タイムスリップグリコ＜思い出のマガジン＞ 新発売

ラインナップは９雑誌＋シークレットの計１０種類で、詳細は以下の通り。
権利者などが入り組んでいそうな中での好企画と言える。チョイスもまずまず。個人的には「４年の学習」と「鉄道ファン」が泣ける。シークレットは「ぴあ」か？

CDに続いて、雑誌も「おまけ」になるのが、いまの時代。

北海道・東北地区で１２月７日発売、その他のエリアは来年の１月２５日より。

001
月刊平凡／1972年7月号／平凡出版（現マガジンハウス）

002
POPEYE／1976年創刊号／平凡出版（現マガジンハウス）

003
少年画報／1965年1月号／少年画報社

004
CAR GRAPHIC／1976年2月号／二玄社

005
花とゆめ／1985年9月5日号／白泉社

006
Olive／1985年1/3・18号／マガジンハウス

007
ARENA37℃／1983年5月号／音楽専科社

008
4年の学習／1977年12月号／学習研究社（学研）

009
鉄道ファン／1984年4月号／交友社

010
シークレット

ドラえもん切手発売

科学技術とアニメ・ヒーロー・ヒロインシリーズ第6集として、ドラえもん切手が発売された。 記念切手の発売日に購入したのって、小学生以来。

ゆうびんホームページ：ドラえもん切手詳細

六本木ABC（青山ブックセンター）、閉店

朝５時までオープンしていることで知られる、六本木にあるABC（青山ブックセンター）が７月１６日をもって閉店となった。店頭には、以下のような貼り紙がされている。

報道によると、青山ブックセンターが破産したことで六本木ほか全店舗が閉店となったようだ。
正直、あまりに唐突なことで驚いている。
六本木ABCといえば、私は、２０年近くもお世話になってきた。なにせ、朝の５時までオープンしているから、深夜族には大変ありがたい存在で、朝までにあげないといけない企画書の資料を急遽物色しにいったこともあった。
本の品揃えも個性的で、ほかの書店ではきっと出会えない本と出会うことができた。私の本棚でこの店で買った書籍はきっと４割近くあるに違いない。世の中の新しい動きや新しい考え方に触れるきっかけが、この店での本との出会いだったのだ。

本との出会いと同等いやそれ以上に、ABCを魅力的にしていたのは、人との出会いだった。有名人を見かけることもあったが、それ以上に大学時代の友人にばったり会って、ついつい話し込んでしまってそのまま飲みにいったり、あるいは、予期せぬ新しい出会いが始まってみたりすることが、この書店を書店以上の存在たらしめていた。

なんか、大袈裟な、と思われるかもしれないが、胸にぽっかり穴が開いたような感覚だ。
いまでは本はオンラインで当たり前のように買えるし、また、近くでは六本木ヒルズのツタヤも頑張っているが、ABCがなければやはり駄目だったんだ、といまさらながらに、痛感している。

みなさんの、ABCの思い出はどんなのだっただろうか？

報道リンク：
青山ブックセンター閉店　破産申し立て受け（Yahoo! News)＜共同通信＞
青山ブックセンターが営業中止　おしゃれな店づくり定評(asahi.com)

ショッピングについて考える

最近はめっきりほしいものがなくて困っている。ほしいものだらけで、困るのは、
軍資金の算段とスペース問題が主な理由だが、ほしいものがないというのは、現代人にとっては
根源的だと思う。
（ほしいものがほしい、というコピーが昔、ありましたね）

同時期に似たテーマの本を日本語／英語で読んでいる。

「なぜ安アパートに住んでポルシェに乗るのか」
The Paradox of Choice: Why More Is Less

「なぜ安アパート...」は、不可思議な消費行動についてマーケッターの視点で分析している。
衣食足りた私たちは、もはや「がっかりするための消費」や「確認のための消費」といった「高度な消費活動」を
行っている、という「ポストモダンな説」は、バブル世代の気分としてはわかる。

もう一方「The Paradox of Choice」は、クラッカー一つとっても、無数とも思える選択肢があることの不思議から話を説き起こし、果たして選択肢が多いということは
我々に幸せをもたらすのか、という問いへと迫っていく。民主主義／資本主義というのは、チョイスがあることを美徳としてきたし、政治でも一党独裁よりも複数の政党から「チョイス」できるのがいいことだと信じて来た。しかし、スーパーマーケットでは、選べないぐらいの商品が並んでいるという現実。

消費については、Why We Buy: The Science of Shopping（邦訳「なぜこの店で買ってしまうのか」）という名著があり、
こちらもオススメ。この作者による続編The Call of the Mallが今年に出版されており、
邦訳「なぜ人はショッピングモールが大好きなのか」もまもなく発売される。

買い物というのは、アーティストでもクリエータでもない、ごく普通の人が、一番簡単にできる自己発露の場であり、
コミュニケーションの一つ。だから、海外で買い物をした体験が、だまされたり、まけてくれたことも含めて「プライスレス」なのだろう。