恒例のWeb2.0 Expo SF 2009が先週3月31日〜4月3日までサンフランシスコで開催された。"Web2.0"を冠したカンファレンスが2004年10月に開催されてから早くも5年目。
冒頭のキーノートでは、Tim O'Reilly氏が、"Web 2.0 Five Years On"(Web2.0、5年後の現在)のタイトルで講演を行った。
O'Reilly氏は、ウェブを赤ん坊の成長にたとえ、徐々にスマートになっているウェブを強調。特にiPhoneやAndroidで登場した新しい検索のあり方を将来の方向性として賞賛した。
また、CDDBがCDの曲数や楽曲の長さから楽曲の名前を引き出せるように、イギリスの電力ベンチャー"AMEE"が家電の電力消費のパターンから、どの家電がピークを生み出しているかわかる、という例を紹介し、センサーが取得されたパターンには隠された意味があり、それが解釈できるようになっていくのが、これからのウェブだとした。
作家のDouglas Rushkoff氏の講演、"How the Web Ate the Economy, and Why This Is Good for Everyone" も面白い。
Rushkoff氏は、多くの企業がアウトソースを繰り返し、実業を行わない「ホールディング」会社になってしまったことへの危惧と、世界的な経済危機によって、Web2.0によって起業が少ない資金でできるなか、実際に価値を作り出すことの大切さを訴えた。
Rushkoff氏の主張は、近日発売の著書"LIfe Inc."にも収められている模様。
一方、Rhode Island School of Designの校長になったJohn Maeda氏の講演では、21世紀のリーダーシップについて語った。Maeda氏によれば、これまでの権威的なリーダーから、クリエイティブなリーダーへの移行が必要であるとし、従来型のリーダーシップとの違いをチャートで紹介した。
(従来型/クリエイティブなリーダーシップ Web2.0 Expo SF09のビデオより)
Web2ExpoSF 09: Tim O'Reilly, "O'Reilly Radar"
Web2ExpoSF 09: Douglas Rushkoff, ”How the Web Ate the Economy, and Why This Is Good for Everyone”
Web2ExpoSF 09: John Maeda, ”Open Source Administration”
Creative Leadership - Thinking out loud on an emergent topic