B3 Annex

Jason Calacanis氏のスピード復活

Jason Calacanis氏といえば、Engadgetを擁するWeblogs IncをAOLに売却して手に入れたNetscape General Managerの座をAOLのCEO辞任を契機に、離脱した起業家だが、早くも「復活」した。
新しい肩書きは、Sequoia CapitalのEntrepreneur in Action (EIA)というもの。

なんと、GoogleやYouTubeに出資したベンチャーキャピタル(VC)での職を手に入れた。Entrepreneur In Actionとは、VCにもたらされるさまざまなビジネスプランを読み、意見を言うというもの。また、Sequoiaの出資による新しい会社を立ち上げることが確実視されている。。

Jasonといえば、10年前のちょうど今ごろ、出来立てのコピー製本版"Silicon Alley Reporter"の創刊号をカートに積んで、Internet Worldの会場で配っていた姿を思い出す。

それから10年の間に、Silicon Alley Reporter、Weblogs Inc.、AOL（Netscape）、Sequoia Capitalと着実にステップアップしている。

Sequoiaという由緒正しいVCでの新しいベンチャーは、はたしてpodcastに関連したものなのか。おそらく、なんらかのメディア企業であることはほぼ間違いないだろう。

＃それにしても、動きが早い。

Search Engine Strategies conferenceでの発表（mp3)

Calacanis.com : My new job...

TechCrunch : Calacanis Takes Position at Sequoia Capital

AOLのCEO辞任に伴い、Jason Calacanis氏もAOL離脱　（2006年11月18日）

AOLのCEO辞任に伴い、Jason Calacanis氏もAOL離脱

昨年10月に自ら創業したWeblogs Inc.をAOLに売却し、その後もAOLの幹部として、netscape.comの抜本的リニューアルなどを手がけていたJason　Calacanis氏がAOLを離脱した。

これは、AOL CEOのミラー氏が辞任したのがきっかけとなったもので、Jason Calacanis氏は、今後新しい会社を立ち上げるという。

Weblogs Inc.は、ハイテクブログのEngadgetなど100以上のブログを擁するブログネットワーク。

一部には、Calacanis氏は、Weblogs Inc.の売却後もAOLに長く居続けすぎたという声もあるが、おそらく彼は、本気でAOLを立て直そうと思ったのかもしれない。
誰かが皮肉で付けた"Future CEO of AOL"という肩書きも、案外本人は気に入っているようだった。

1年前に会社を売却した直後に撮影した彼の高揚している様子を見るにつけ、ネット業界の動きのあまりの速さを痛感してしまう。

ブルックリン出身の起業家Calacanis氏の次のベンチャーに期待したい。

Blog Entrepreneur Leaves AOL - New York Times　

Yes, it's true... I'm leaving AOL. - calacanis.com

B3 Annex : Interview with Jason Calacanis@Web 2.0 2005　（2005年10月17日）

B3 Annex : ＜速報＞Weblogs Inc、AOLに2500万ドルで売却　（2005年10月7日）

フリッパーズギターが流れていた頃

2006年の夏の終わりに、ファーストとセカンドの紙ジャケ再発。
そうか、あの頃からもう１７年も過ぎてしまったのか。フリッパーズギターは、まだこまっしゃくれたボクたちの季節に流れていたチューン。だいたい全編英語詞のデビューアルバムなんてね！
アニエスｂ.のボーダーシャツ、白いチノパン、CISCOの青い袋...。

いまでは、もう遠くなってしまったアイテムたち。
携帯電話がまだコワい大人たちのものだった時代。

ボクたちは、公衆電話から家の留守番電話に残された、彼女たちからの声を確認していた。
ちょっとしたニュアンスも聞き漏らさぬように、緑色の受話器を耳に強く当てて。
テープに残された声によって、街が一瞬にして華やぐ瞬間を想って。

世の中が少しわかりかけはじめていたけど、わからないでいることにも価値を見出してみたり。
恋愛に恋していたことに、気がつかないフリをして、彼女たちを傷つけてしまったり。
ボクたちは、ボクたちなりの方法で、世界を変えられるなんて思い込んだり。

そんなボクたちが、歌詞の中にいた。

さて。

いま思うのは、自分に心の自由は残っているのか、ということ。

何か、まわりの期待みたいなものに勝手に乗っかって、これが自分がやりたいことだなんて、思い込んでいないか。
ふとしたはずみで、何か大事なものと決別してしまって、気がつきもしない、なんてことになっていないか。
こじんまりとしたケツロンに、安心しきってしまっていないか。

セプテンバー
iTunesから、彼らのファーストが繰りかえし流れる午前3時すぎ

B3 Annex、3周年！

きょう8月12日は、B3 Annexの3周年！　2003年8月12日にスタートして以来、エントリー数は437。
この1年では、204エントリーも書いていた。自分でもここまで続けられれるとは正直思っていなかった。

毎日アクセスしたり、トラックバックしたり、リンクを張ってくれたり、応援してくれた多くの人々に、深く感謝したい。

というわけで、3周年記念（！）として、これまでのB3 Annexアクセス数でみる「ベスト７」をどーんと発表！

第1位
フランス国立視聴覚研究所(INA)がネット公開した番組10万本の衝撃

第2位
グーグル、１０の黄金律

第3位
ウエブスタートアップ企業のための１０のルール

第4位
「いま会社を立ち上げてはいけない６つの理由」VS「いまビジネスをはじめるべき５つの理由」

第5位
没番組、YouTubeがきっかけでNBCが放送へ

第6位
NewsVineスタート、ソーシャルニュースサイトの可能性

第7位
この平凡な見出しは、Googleのために書かれている（あるいはGoogleがもたらす見出しの質的変容）

こうしてみると、アクセスはこの1年ぐらいの記事に集中しているのがわかる。

また、別のデータからB3 Annexへのアクセスのうち３１％が、リピーターの方によるものだということもわかって喜んでいる。

個人的には、取り上げる回数の多くなっているSecond Lifeネタがいま一つ人気がないようなので、これについてはますます頑張りたい。

継続は力なり、というが、これからも、あまり気張らずに、刺激的で楽しい記事が書ければと思っている。
新しい方も、リピーターの方も、引き続き、お付き合いください。

B3 Annex管理人

米国で有名ブロガー、相次いで本職を辞める

マイクロソフト社のブロガーRobert Scoble氏は、このほどマイクロソフトを辞めて、ベンチャー企業「PodTech.net」の副社長になると発表。Scoble氏は,"Scobleizer"というブログでいわゆる企業広報とは一線を画したブロガーならではの視点や発信力で、マイクロソフトの活動についてブログを書き続け、ブログ界では「名士」となっていた。

（Scobleizerブログ）

辞任については、社内での立場の難しさなどが噂されたが、本人の弁によると、そうしたことはなく、関係は良好だったという。一方で、さっそく移籍先の「PodTech.net」には移籍の理由を説明するpodcastが上がっている。（ビデオキャスティングや新しいメディアの可能性に賭けるらしい。Second Lifeの可能性についても触れている…）

Vloggercon San Francisco: Robert Scoble Speaks About Moving from Microsoft to PodTech.net (mp3)

「ブロガー」の移籍話は、BBC Newsの記事にもなり、さらには、ABC Newsにもなった。

その後、雑誌"Business2.0"の編集者で、GigaOMというブログを持つOm Malik氏も会社を辞めて、ベンチャーファンドからの資金を得て、自ら会社を興すという情報も入ってきた。（雑誌には、寄稿エディターとしては残る模様）

（GigaOMブログ）

こうした傾向が今後どうなるのか、まったくわからないが、案外、「このブーム」もそろそろ終わりに近づいている、のかもしれない。

＜関連リンク＞

Scobleizer - Microsoft Geek Blogger

GigaOM : On Broadband, VoIP & The Next Generation Internet

BBC NEWS : Top Microsoft blogger to resign

ABC News: Should You Quit Your Day Job to Blog?

 

「del.icio.us/popularページに載るための７つの法則」

B3 Annexでは、昨年末に、はてなブックマーク掲載を起点とするトラフィック増大を経験したが、
同じように、del.icio.usでトラフィック増大を何度か経験した、ProbloggerのDarren Rowse氏が、del.icio.usのpopularページを独自に分析して、どのようにエントリーを書いたら、del.icio.usのpopularに載るような記事を書けるのか、まとめた。

以下、B3 Annex抄訳で。

「del.icio.us/popularページに載るための７つの法則」
( 7 Ways to Get to the Top of the del.icio.us Popular Page )

１．リストを作る

現在のpopularページを見ただけも、リストと名のつくものが多いことがわかる。Probloggerが最初にpopularページに載ったときもリストだった。（訳者注：ちなみにB3 Annexのときもリストだった）

２．リストに番号をつける

popularに載るリストはたいがい数字がタイトルについている。リストについている数字の何がdel.icio.usユーザーの心を捉えるのかはわからないが、実際に注意を引くことは事実だ。１０のルール、５つの方法、６つのトレンド、５０のtipsなどとつかないリストのほうが珍しい。

３．ハウツー記事を書く

もうひとつ人気なのは、ハウツー記事だ。あるゴールを達成するための方法を一つ一つ伝えることで、ブックマークしてくれる確率が高まる。「・・・７する方法」（how to...)、のほかに、「ガイド」（Guide to...)、ティップス(Tips to..）、チュートリアル(Tutorials）という言葉も使われる。また、「・・・しない方法」というのもよく見かける。

４．大きな期待を持たせる

del.icio.us/popularでは、人々がクリックするかどうかは、リンクのタイトルに大きく依存している。（人々に興味をもってもらうための説明文などはこのページにはない）そのため、どのようにタイトルが構成されているか、がリンクを訪問者に変えられるかどうかを大きく左右する。これを実現するひとつの方法は、大きな約束をしたり、ちょっと偉そうなことをいってみることだ。Probloggerの最近のポストで、これを実現してpopularに載ったのは、「３０日でサイトトラフィックを倍増させた３つのカンタンなコト」だ。これは、約束ではないが、確実に注目してもらえるタイトルには違いない。もちろん、タイトルだけではだめで、何が読むのに値するものがなければ結局は、ブックマークはしてもらえない。

５．テクノロジーネタを書く

popularリストに載るリンクの多くは、何らかのテクノロジー傾向がある。たとえば、SOAP、パワーポイント、ビデオゲーム、AJAX、CSS、ブログ、ウエブサイト、Linux、マイクロソフト、ケータイ電話。del.icio.usユーザーは、ハイテクに精通しているわけで、彼らの注目を集めるなら、彼らの「テック心」をくすぐる必要がある。

６．インスパイヤーする

Probloggerでユーザーの関心を呼ぶのは、「ハウツー記事」や「テック記事」だけではない。実は、もっともリンクされるのは、何かを教えるものではなく、インスピレーションを与えたり、モチベーションを高めるような記事である。人々は、元気づけられたいし、心から感動したかったりするのだ。

７．ユーモアを取り入れる

もちろん、テッキーな記事やインスピレーションを与える記事ばかりが、del.icio.usのトップになるわけではない。おもしろネタへのリンクももちろん人気だ。「オレの娘とデートするための１０の掟」というリンクは、その点で数日前目に留まった。もちろん、ユーモアを取り入れてつつ、テックネタやインスピレーションネタのついて番号のついたリストをつくって、大きな期待を抱かせることだってできる。

del.icio.usやはてなブックマークの人気ページに載ることにどれだけの意味があるのかは、この際置いておく。トラフィックが来ることはいいことだし、せっかく、書いたエントリーはできることなら多くの人に読んでもらいたい。そういう観点でみると、今後のエントリーを書く参考になる部分があると思う。

この法則のいくつが、はてなブックマークに通用するのだろうか？

＜関連リンク＞
7 Ways to Get to the Top of the del.icio.us Popular Page: Blog Tips at ProBlogger

Blog Tips at ProBlogger: Make Money Online

del.icio.us/popular

はてなブックマーク - ソーシャルブックマーク

＜速報＞Weblogs Inc、AOLに2500万ドルで売却

Jason Calacanis氏らのWeblogs Inc.は、AOLに２５００万ドルで売却したと発表。
サンフランシスコで開催中のWeb2.0に出席したCalacanis氏にHDVカムで直撃した。

ニューヨークから夜中に到着したCalacanis氏、朝から、さまざまなメディアの記者にコメントしたという。engadgetなど多数のblogを抱えるWeblogs Inc.、草の根メディアがAOLに売却できたことから、すでに新しいネットバブル(ネットバブル2.0?)が起きていると揶揄する向きもある。
しかし、９０年代中盤からSilicon Alley Reporterを立ち上げて、バブル崩壊の前に売りぬけ、いち早くblogのビジネス展開に着目した、calacanis氏の慧眼に素直に拍手を送りたい。
Congrats! Jason!

（動画版は、またいずれ時間ができたときに）

tagCloudのもたらす功罪？

tagCloudがおもしろい。
これは、del.icio.usなどで行うtag付けを自動化してくれるサービス。
好みのRSSを登録するだけで、そのフィードの中からタグを抽出して、見せてくれるというもの。

自分のサイトに貼付けられるコードも自動生成してくれるので、当サイトの表紙の右上にも置いてみた。これはB3 AnnexのtagCloud。残念ながら、日本語を拾ってくれないようだ。

以下にCNN TopのtagCloudを生成してみた。

CNN.com tagCloud

tagCloudそのものは便利で面白いが、こうした自動化によって、folksonomyが持つ、独自の視点を加える／表現するといった醍醐味が失われてしまう気がする。

＜関連記事＞
Wired News: RSS Service Eases Bloggers' Pain

キムカツとb3 annexの関係について

ちょっと気になったので、当blogにおける人気コンテンツ（！？）について調べてみた。

全アクセスにおける各記事の割合を調査（２月１８日のデータによる。当社調べ。PhotoAlbumなどは除く）

    キムカツは旨い他　            33.04％
    Tagがもたらす連鎖他　         8.69%
    リアリティTVの立役者他　    9.56%
    iPod Shuffleの写真                 3.47%
    話題の書「Blink」について    1.73%

ということで、相変わらずのキムカツ人気。ここにアクセスしてくれる人の実に「３人に１人」はキムカツ情報を求めているということだ。
で、さらに衝撃的なのは、PhotoAlbumで「ドキュメント・キムカツ」という８枚の写真を公開しているが、これも凄いアクセスなのだ。
iPod Shuffleなんて目ではない。いやはや。

（Typepadにはアクセスログを集計するツールがないので、エクセルで手動解析したが、もっといい方法はないだろうか。あれば、もう少し頻繁に傾向と対策を立てることもできるのに。）

ちなみに、ユーザーのみなさんがどこから当blogに来るのか、それも調べてみた。
refererの研究（同データによる）

yahooサーチ結果から　36.52%
googleサーチ結果から　28.69%
b3annex内から　5.21%
MSNサーチ結果から　2.60%
リファラーなし　16.52%

意外にもyahooの検索からがトップだが、キムカツは１００％yahooからのユーザー。ほかの記事はgoogleなどで検索している様子。
自分のサイトでもいろいろ発見があって、面白い。

ま、ともかく。そんなキムカツ好きなみなさんに情報。２月２５日にはなんと４号店となる仙台店がオープンとのこと。いつのまにか、福岡、京都と展開していました。詳しくはwww.kimukatsu.comへ。少し暖かくなって並んでも底冷えがしなくなった頃にまた行きたいなぁ。

＜キムカツが好きなあなたのお役に立つかもしれない書籍＞
とんかつの誕生―明治洋食事...講談社選書メチエ
とんかつ奇々怪々文春文庫
東京いい店、うまい店 05-06
東京最高のレストラン〈2005〉

Tagがもたらす連鎖

ここ１週間ぐらい、Tagについて考えていた。
まずは、flickrから話を始めたい。
flickrは単なる写真アップロードサイトではない。自分や友人のアップした写真を見るのは、これまでのオンライン写真サイトでも出来たが、flickrでは、Tagを指定することで、さまざまな人がアップしている、たとえば、New YorkというTagのついた写真を串刺しにして見ることができる。
（ほかのタグはこちら）
中には、Circle（円）というタグもあり、いままででは体験できないような、キーワード串刺しによる写真体験ができる。

さて、ここからさらに面白くなる。

del.icio.usというサイトは、「ソーシャル・ブックマーク」を売り物にしたサイトだ。
自分が気に入ったサイトを次々にサイト上で、ブックマークすることで、ほかの人もそのブックマークを見ることができる。（popularでは人気のページを見ることができる）

実はここにも、Tagをつけることができる。このページの右端にpopular tagというのが並んでいる。つまり、自分がブックマークするサイトに対して、自分なりのキーワード（たとえば、designとか、musicとか）をつけていくことができる。仮に、自分がつけたtagがdesignだったとして、今度は、ほかの人がdesignというTagをどんなサイトにつけているのか、見ることもできる。

さまざまな人々がTagをつけるというちょっとした貢献をするだけで、いままで出会うこともなかったサイトに出会えるという驚き。あるいは、あるサイトに付けたTagを通して、向こう側にいる知らない人と、ちょっとだけ繋がっている感じ。

こうした人々が付与していくTagをFolk（民衆）+Taxonomy（分類学）＝Folksonomyというらしい。
Goodpic.com「Folksonomy : del.icio.usとFlickrを支える情報アーキテクチャ」

私自身は、Folksonomyというコトバよりも、Taggingというワードの方がピンと来る。
ちなみに、いまのtaggingの両雄のflickrとdel.ici.usを同じタグでひっぱれる、taggregatorというものまで登場。taggregatorでは、たとえば、coolというTagのついた写真とサイトを同時に表示してくれる。

technoratiでも、tagの相互乗り入れを進め、Typepad/Movable TypeなどのblogのカテゴリーをTagとして認識するようになった。合わせてflickrとdel.icio.usもシームレースにtag検索ができるようになった。（technoratiで、coolをTagにblog/photo/bookmarkを串刺しにした結果）

このTag付けには、微細であっても、個人の価値観が反映される。同じものを見ても、Tagが異なる場合があって当然だし、むしろ自然だ。
このFolksonomy/Taggingの動きは、今後大きなトレンドになると思われるが、たとえば、コンテンツサイトが記事にTagを付けていった場合に、いまのような、シナプスがどんどん繋がる連鎖感がありえるのか、見守りたい。