インターネットの総合雑誌の老舗「インターネットマガジン」が今月末の発売号で休刊、実質の廃刊になる、という。インターネット・ブームの先駆けとしてこの雑誌が果たした役割は大きかった。とくに、付録のCD-ROMに収められたWeb関連ソフトはダイアルアップ時代には、重宝した。巻末にあった、ネットワーク図がどんどん複雑化していくことで、ネットの広がりを実感したりもした。
「インターネットを、1つの雑誌でカバーすることは難しく」なったというが、やはり、第2の創刊と謳ったリニューアルの失敗が大きかったのではないか。クリエイター系な色合いが強くなり、おそらく企業での購読が激減したのではないか、と推測する。
いまの体裁になってからは、Web2.0の追い風もあり、面白くなりかけたところだったのに残念である。
それにしても、ウェブで、インターネットWatchなどを抱えながら、それと雑誌をうまく連動していたとは言いがたい。日進月歩で進む、テクノロジーの世界で、月刊誌が果たせる役割は、しかし、まだまだあったはずだ。
たとえば、ブログ展開するなどもなく(あった?)、インターネットの進化のスピードに対して、それを伝えるメディアのスピード感のなさが露呈していたように思える。
一方の、ASAHIパソコンは、これまた老舗で、個人的にはあまり思いいれはないが、ときどき買って、「おじさん的ITワールド」を垣間見ていた。
これから、ますますリタイヤ親父のパソコン事始が増えると思われるのに、これまた残念である。
これまた、asahi.comというネットでのブランドと、雑誌をうまく結び付けていたとは言いがたい。
雑誌というメディアは、個人的には大変好きなメディアである。一方で、もう定期的に買うPC・ネット雑誌がないのも、残念ながら事実だ。
アメリカの雑誌ビジネスでは、定期購読者がメディアを支えていると聞く。それは定期購読が通常購入よりも破格だからという点も見逃せない。日本でも、ブルータスなどは、少し積極的に定期購読者を募っているように思うが、まだまだインセンティブが高いとは言いがたい。
定期購読が通常の半額になっているというのは、魅力的だが、こんなカンタンなことができないのは、採算性以外に規制などがあるのだろうか?
PCやインターネットを扱う雑誌メディアの新しい挑戦に期待したい。
ITmedia News:「インターネットマガジン」が休刊に
インターネット・マガジン
#しかし、悪いけど、アサパソの最終号の表紙はいけていないなぁ。ところで、アサパソの最終号の赤い表紙は、アサジャの最終号の黒い表紙を思い出させた。(苦笑)