RSSフィードについてのレポート「Feed for Thought」が面白い。これは、Feedburnerのマーケットレポートという形で発表されたもの。
RSSフィードは2003年ごろはblogと不可分なものと思われていたが、2005年の現在、RSSフィードは必ずしもblogだけのものではなく、メジャーメディアサイトも使い、またpodcastで使われ、また検索結果のRSS化なども行われている、と指摘。
(下図は、その広がりを示すもの)
その上で、フィードは、以下の3つの重要な利点があると述べている。
1.特定チャネルのコンテンツの更新についての告知メカニズムという点
2.コンテンツを購読できることにより、パブシッシャーと購読者の間に固いつながりを持たせられる点。
3.コンテンツが半構造化される点
そして、コンテンツが構造化されていることで、フィードそのものがサイトのアウトプットではなく、逆にサイトへのインプット形式になりうるとしている。
Feedburnerはこれに関連して、近くいくつかの発表を行うとしている。
FeedBurner will be making several announcements throughout the winter regarding a thoroughly open approach to leveraging the structure of the feed in order to add activity and meta-data feedback to the site.
一方で、RSSフィードが発信元から離れて、さまざまなサードパーティによって流通し、また、blogサーチの結果としてまったくの他人の記事とともにフィードされる面があるとも指摘する。
Why is my content being blended into somebody else’s feed without my knowledge? Subscribers to that feed are once removed from me by a party I don’t know and who may not be reputable; should I care?
こうした事態を解決するためには、コンテンツの最小単位レベルに「糸」をつなぎ込むことでコンテンツを管理できれば、コンテンツをトレースできる機能をパブリッシャーに提供できるだけでなく、この「糸」を使って、ウエブサービスの世界ととコンテンツをつなぐことができる、という。
If we manage syndicated content at a more atomic level by attaching “threads” to the item, we can provide tools to publishers that enable not just the tracking of the thread, but also use the thread as a communications line between the world of web services and the content item. We can essentially staple rules, patterns, and meta-data to the content in a live and “always on” way, wherever the content goes
もちろん、このことで、フィードによって、さまざまな経路によって、最も多くの人々に届くということは、マネタイズの機会も増えるとしている。
By following the atomic unit of content around as it’s ripped, mixed, and republished, the content is afforded the widest variety of distribution paths to reach the largest possible audience, which in turn creates the greatest opportunity for monetization.
Feed for Thought:How feeds will change the way content is distributed, valued, and consumed
これまで、マスメディアの最大のパワーは、そのディストリビューションにあったとすると、RSSのような新しい配信形態によって、新たにパワーを得るセクター/企業が登場するのか。それが単なるプレーヤーの新旧交代的なことに過ぎないのか、それとも、もっと階層を越えた変革になるのか。
メディアの未来を占う材料がようやく出そろってきたように思える。
既存のメディア企業がWeb2.0的なオプションを大急ぎで準備しなければならない理由が、今回この記事に書かれてあるということですね。それは新しいプレイヤーと共生の道をさぐったり、あるいは競争可能な状態にもってゆくというためだけではなく、まさにこれから情報産業にとっての唯一無二のマネタイズ可能なチャンネルなってゆくためであり、それへの充分な対応なくしては重要な収入源を失ってしまう、というのが私の持論です。
Posted by: toshi | December 01, 2005 at 10:40 PM